【オーストラリア・アデレード 旅の最新事情】短期間のロックダウンで普段の生活に戻る現地の状況を在住者がレポート

公開日 : 2021年08月10日
最終更新 :
豊かな自然と都市が融合する美しい街アデレード ©iStock
豊かな自然と都市が融合する美しい街アデレード ©iStock

昨年の1月31日から少しずつ広がり始めた新型コロナウイルス感染症で、南オーストラリア州は、1ヵ月近くロックダウンをしました。11月には、広がり始める少し前に3日間だけのロックダウン、そして先月、数名の感染者が出たことから、1週間のロックダウンとなりました。どこから新型コロナウイルス感染症がでたのか、それを追跡するために、ひと晩のうちにロックダウンを決定するのが筆者の印象です。感染者の確認をしたところで、その周辺をホットスポット(4段階)と指定して、段階に応じて個々の対応を求めるといった手段が取られています。

感染抑制のため徹底して市民と連携をとるのが南オーストラリア政府のやり方

感染抑制のため徹底して市民と連携をとるのが南オーストラリア政府のやり方
州都にあるアデレードボタニックガーデン(植物園)の入り口にはコロナを広げないための注意書きが

感染者が見つかった場合、その時の状況(場所・時間)に応じてホットスポットには、4段階の区分が付けられます。ホットスポットに寄ったと思い当たる人はその段階に応じて対応をします。
1段階 PCR検査・自己隔離
PCR検査をすぐに受ける、ホットスポットにいた日から同居人すべて14日間の自己隔離が必要、PCR検査を5日目・13日目再度受ける
オンライン調査票 を提出する

2段階 PCR検査・自己隔離
PCR検査をすぐに受ける、ホットスポットにいた日から14日間の自己隔離が必要(同居人とも隔離した状態で)、PCR検査を5日目・13日目再度受ける
オンライン調査票 を提出する

3段階 PCR検査・最初に陰性になるまで自己隔離
できるだけ早くPCR検査を受ける、検査結果が陰性になるまで自己隔離、PCR検査を5日目・13日目に受ける、ネガティブで、症状がなければ自己隔離は必要なし
オンライン調査票 を提出する

4段階 症状に気をつける
症状が出始めたら、できるだけ早くにPCR検査を受ける

ソーシャルディスタンスをわかりやすく絵に表したもの
ソーシャルディスタンスをわかりやすく絵に表したもの

南オーストラリア州の生活規制は5段階

南オーストラリア州の生活規制は5段階
街のあらゆるところに貼られている新型コロナウイルス感染症のポスターは今では日常的になりました

南オーストラリア州では、ロックダウン(ステイホーム)になるまではとても早いです。昨年11月、先月の2回に渡っては、感染者が数名のうちにロックダウンに。ひと晩のうちに4~5段階に進むのが特徴だと思います。「今は旅行をするタイミングではないよね」と友人たちは口を揃えます。ロックダウンをすると、他州から戻ることができない場合もあるからです。またロックダウン直前には、他州との境に入州を試みる人たちで多くの車が列をなす報道もされています。

州の規制はレベル1から5(パブリック・アクティビティ・チャート)に分かれています。
レベル1 
・ソーシャルディスタンスは、4㎡に3人まで
・飲食を含んだ大きなイベントの禁止
(マスク着用)3/4以上に混み合う室内

レベル2(低規制)
・ソーシャルディスタンスは、2㎡に1人まで
・飲食を含んだ大きなイベントの禁止
・1000人以上のイベントにはCOVID Management Planの適用
・シーシャ(水タバコ)禁止
・ダンスやカラオケなどの制限
・プライベートの集まりは150人まで
(マスク着用)1/2以上に混み合う室内、ハイリスクの場所、パーソナルケア(美容院・ネイルサロンなど)

レベル3(中規制)
・ソーシャルディスタンスは4㎡に1人まで
・飲食を含んだ大きなイベントの禁止
・COVID Management Planの適用下で1000人以上のアウトドアでのイベントのみ
・着席での飲食のみ
・シーシャ(水タバコ)禁止
・ダンスやカラオケなどの制限
・プライベートの集まりは50人まで
・スポーツ観戦の規制
(マスク着用)ハイリスクの場所、パーソナルケア(美容院・ネイルサロンなど)、公共交通機関内、ヘルスサービス(介護など)

レベル4(高規制)
・ソーシャルディスタンス 4㎡に1人まで
・飲食を含んだ大きなイベントの禁止
・COVID Management Planの適用下で1000人以上のアウトドアでのイベントのみ
・アウトドアの着席での飲食のみ
・シーシャ(水タバコ)禁止
・ダンスやカラオケなどの制限
・スポーツ観戦の規制
・カジノやゲームエリアの使用禁止
・インドアのフィットネスジムの禁止
・スポーツの試合の禁止
・パーソナルケア(美容院・ネイルサロンなど)閉店
・プライベートの集まりは10人まで
・家の中での集まりは住居人+訪問人10人まで
・日常に欠かせない商店のみ営業
・公共の娯楽の禁止
 (マスク着用)ハイリスクの場所、公共交通機関内、ヘルスサービス(介護など)、公共屋内(スーパーマーケットなど)

レベル5(ステイホーム)
・(買い物など必要最低限以外)ステイホーム
・公共施設はクローズ
(マスク着用)公共の場所すべて

以上の段階からその時の感染状況によって規制事項が変わります。文中にあるCovid Management Planなどは、もっと細かく規定されているので、イベント主催者などは、情報をチェックしておく必要があります。オーストラリアでは、これらの規制が守られていない場合には罰金の対象となります。

今までにレベル5のステイホームになったことは、今までに3回、一番厳しかったのは昨年11月のレベル5でこの時は、外での運動も禁止となりました。また買い物もひと家族からひとりのみ、1日1回と小さなことまで規制の対象となります。
規制になると厳しくなりますが、そのおかげでしょうか、普通の生活に戻るのはとても早いように感じます。南オーストラリア州では、その時の状況に応じて対応することが強いられはしますが、上記のようにマニュアル化されているのでとても分かりやすいと思います。世界で収束の見えないですが、安全で安心な日常が一日でも早く戻ることを祈りたいと思います。

旅のバイブル「地球の歩き方」ガイドブック

※当記事は、2021年8月5日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL:https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

筆者

オーストラリア特派員

さくら麻美

南オーストラリア州のアデレード観光ガイドそして留学生の伴走者・フォトグラファーとして活動。

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