カナダ・ノースウエスト準州でオーロラ鑑賞するための5つの基本情報

公開日 : 2021年09月01日
最終更新 :
オーロラ・オーバルの真下にあるので、頭上にオーロラが出現する
オーロラ・オーバルの真下にあるので、頭上にオーロラが出現する

オーロラ・オーバルのほぼ真下にあるノースウエスト準州は、オーロラ鑑賞に最適の地です。内陸部のため晴天率が高く、年間240日以上もオーロラが鑑賞できます。鑑賞にあたって知っておきたい5つの基本情報をご紹介。

オーロラって、どうして発生する?

オーロラって、どうして発生する?

英語で「Northern Light」(ノーザン・ライト)と呼ばれるオーロラは、太陽の黒点活動により発生する自然現象です。太陽から発する太陽風の微粒子が、地球の大気にある原子や分子に電子衝突し放電することで発光しています。太陽の黒点活動は一定でなく常に変化しているので、活発な時は大きなオーロラが出て、活動期にないときはオーロラが出たとしても規模が小さくなる傾向があります。

オーロラ・オーバルとは何ですか?

オーロラ・オーバルとは何ですか?
オーロラ・オーバルの位置。〇で囲ったところがイエローナイフ。

太陽風の微粒子は北極点、南極点の近くにある地磁気極へと引き寄せられます。オーロラはこの極を中心として楕円形の帯状に発生しています。帯は北緯65~70度あたりにあり、ここを一般的にオーロラ・オーバル、別称オーロラ・ベルトと呼んでいます。ノースウエスト準州およびイエローナイフはこのオーロラ・オーバルの真下にあるため、オーロラが発生しやすいのです。

オーロラ観測のシーズンはいつ?

オーロラ観測のシーズンはいつ?
秋には湖にオーロラ映り込む「ダブルオーロラ」のチャンスも

メインのシーズンは冬である11月下旬から4月上旬。この時期には天候も比較的安定するため、オーロラが見えやすいというわけです。最盛期は1~3月で、この時期にはイエローナイフから毎日オーロラ鑑賞ツアーが出ています。
ただし、注意しなくてはならないのは気温。オーロラ鑑賞は屋外で行い、オーロラが出るまでは寒空の中ひたすら待つことになります。途中屋内で暖はとれるものの、-30~40℃のなかで長時間オーロラを待つのはかなりハード。
「オーロラは見たいけど、そんなに寒いのはイヤ!」という人は、秋のオーロラ鑑賞がおすすめです。実はオーロラは通年で出ているのですが、夜中まで明るい時期は見えないのです。
8月中旬から10月下旬はもう1つのオーロラ鑑賞シーズンとして近年話題となっています。

オーロラの色と形はどうして違う?

オーロラの色と形はどうして違う?
ピンクや紫のオーロラは地上に近いあたりで出る

オーロラには緑や青などさまざまな色がありますが、これは太陽風の微粒子が衝突する原子によって色が変わります。地球の大気は高度により含まれる原子が異なります。上空100~120kmにある窒素に衝突した場合は青や紫、ピンクに、100~250kmにある酸素に衝突した場合は緑色になります。
オーロラの色を見ながら、高度やぶつかった原子を想像してみるのもおもしろいです。
なお、赤いオーロラは上空180~250kmで酸素にぶつかった時に出現します。かなりレアなので、見られたら非常にラッキーでしょう。
オーロラはただの光ではなく、カーテンのひだのように動いています。これは、微粒子が地磁気極に引き寄せられているため。オーロラを見る角度によって形や動き方が異なり、横からはカーテン型やアーチ型、下からは頭上に弾けるコロナ型や渦巻型などがあり、その形は刻々と変化しています。

観測するときの服装や撮影テクニックは?

観測するときの服装や撮影テクニックは?
冬のオーロラ観賞は寒さが厳しい。防寒対策は万全に

冬に観測する場合、防寒対策が非常に重要です。アウターはおしりまですっぽりと隠れるヘビーダウンジャケットに、インナーにフリースやセーターなど。靴もスノーブーツにウール素材の靴下重ね着が基本です。屋内は暖房が効いて暖かいので、脱ぎ着しやすいような服装を心がけましょう。
なお日本から防寒具を持参すると非常にかさばるので、現地のツアー会社で最高級カナダグースを使った防寒具などをレンタルするのがおすすめです。

オーロラの撮影に三脚はマストアイテム ©iStock
オーロラの撮影に三脚はマストアイテム ©iStock

~オーロラを撮影したい!~
オーロラはカメラで撮影できます。ただし長時間シャッターを開けっぱなしにするバルブ機能が必要なため、一眼レフやミラーレスカメラがよく、ISO感度800以上の設定が望ましいです。撮影には三脚が必要で、24mmより広角のレンズを用意するのがおすすめ。
撮影時はカメラをマニュアルにセットし、ISOは800~3200、絞りは開放して、シャッタースピード10~30秒あたりで複数枚撮ってみましょう。
撮影後、カメラをそのまま屋内に入ると温度差により結露して故障の原因となります。密封できるビニール袋に入れて、徐々に室温に戻してから取り出すことが大切です。

■カナダ・ノースウエスト準州の旅行情報:
カナダ・ノースウエスト準州観光局
・URL: https://spectacularnwt.com/japanese

写真提供:ノースウエスト準州観光局

※当記事は、2021年9月1日現在のものです

■カナダ・ノースウエスト準州の特設ページはこちら
・URL: https://pu.arukikata.co.jp/northwestterritories/

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・URL: https://pu.arukikata.co.jp/tabiwokataro/

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◎外務省海外安全ホームページ
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◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
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筆者

地球の歩き方書籍編集部

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。

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