起業の拠点に缶詰居酒屋 長崎・川棚町 元地域おこし協力隊

公開日 : 2019年03月22日
最終更新 :
自分でセレクトした缶詰を前に、笑顔を見せる飯田千織さん=長崎県川棚町の「宅飲み屋CaN」で
自分でセレクトした缶詰を前に、笑顔を見せる飯田千織さん=長崎県川棚町の「宅飲み屋CaN」で

 すりガラスの引き違い扉を開くと、色とりどりの缶詰が目に飛び込んできます。長崎県川棚町に2018年12月12日にオープンした「宅飲み屋CaN(キャン)」は全国の珍しい缶詰や酒、地元の惣菜などを楽しめます。地域おこし協力隊として同町に移住した飯田千織さん(28)が、任期を終えて開業した居酒屋です。

 笑顔が印象的な飯田さんは、佐賀県唐津市の出身です。高校在学中、ホームステイしたオーストラリアで町の人々の地元愛に触れ、「自分も町おこしに携わりたい」と思ったのが、地域おこし協力隊に参加したきっかけだったといいます。東京での企業勤めを経て、同町の協力隊募集に応募。15年12月に赴任しました。

 商工観光担当として活躍し、3年の任期を無事終えました。進路選択に悩みましたが「支えてくれた人たちに恩返ししたい」と、町に残り、起業する道を選びました。

 在任中、町の課題として強く認識したのが空き家問題でした。さっそく、一軒家を希望する移住者に町内の空き家を紹介するサービスをスタートさせるとともに、空き店舗の活用を考えました。地域のためならと、商店街の空き店舗を借りることができ、開業にこぎ着けました。

 旅行が趣味の飯田さんは「ご当地の味」を手軽に楽しめる缶詰に着目。「友人の家のような親しみやすい居酒屋」を目指しました。冷凍庫などは廃業した店舗から譲り受け、内装は町内の大工らが手助けしてくれました。

 店は開店初日から地元の人たちでにぎわい、地域交流の場として機能し始めています。「若い世代にシェアオフィスやコワーキングスペースとして店を活用してもらい、新たな起業家がここから誕生してほしい」と、飯田さんは期待を寄せています。

■宅飲み屋 CaN
・住所: 〒859-3608 長崎県東彼杵郡川棚町栄町19-3
・電話: 0956-76-8680
・営業: 17:00〜22:00(L.O.21:30。水・木曜休み)
・URL: https://www.instagram.com/can.kawatana/?hl=ja

 この記事は、全国商工会連合会が地域活性化のキーマンとなる若手経営者育成のため開催した「次世代地域リーダー塾」プログラムの中で、毎日新聞記者の指導を受けて作成されたもので、「地球の歩き方ニュース&レポート」でも掲載しました。
 商工会は、全国1,653カ所の市町村にあり、中小企業の経営支援と地域活性化に取り組んでいる団体であり、全国商工会連合会はその全国団体です。

■全国商工会連合会
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