アフターコロナの旅スタイルとは?気になる“空の旅”を徹底シミュレーション!~機内・降機編~

公開日 : 2021年09月01日
最終更新 :

新型コロナウイルスをはじめとした感染症のリスクとどう向き合い、これからどのように旅をしたらよいのか? 「新しい生活様式」につづき、「新しい旅のスタイル」を模索するべく、編集部がその道のプロにインタビューし、アフターコロナ時代の旅スタイルをさぐっていきます。今回は、日本航空さんに、コロナ禍で大きく変わることになった“空の旅”の最新事情をうかがってきました。

いよいよ空の旅がスタート!フライト前に知っておきたいポイントとは?

いよいよ空の旅がスタート!フライト前に知っておきたいポイントとは?
日々感染症対策に取り組んでいる ©日本航空

空港到着から飛行機搭乗までの注意点を紹介した前半に続いて、後半は機内での過ごし方、そして到着後の荷物の受け取りについて、日本航空さんの取り組みや旅行者がすべきことをお聞きしました。

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搭乗から離陸までも抜かりなく!不安に寄り添った対策

搭乗から離陸までも抜かりなく!不安に寄り添った対策

機内の対策を教えてくださったのは、「客室品質企画部」の井ノ上理華さん。

編集部:飛行中に密室となる機内は、不安を感じる旅行者が多いと思うのですが、感染症対策や不安解消のためにされていることはあるのでしょうか?

日本航空さん:新型コロナウイルス感染症拡大防止の取り組みとしては、機内の抗ウイルス・抗菌コーティングや客室内の消毒を実施しています。お客さまに安心してお過ごしいただくために、飲食時以外はマスクの常時着用をお願いしています。また、機内の空気は2〜3分程度ですべて入れ替わっています。換気の仕組みはホームページで詳しくご紹介しているので、ぜひご覧ください。さらに弊社の取り組み、お願いにつきましては、搭乗時はもちろん、フライト中や降機時の機内ビデオでもご覧いただけます。

■ 機内の空気循環について
・URL: https://www.jal.co.jp/jp/ja/info/2020/other/200403/index.html

編集部:そんな短時間に!? 空気が常に循環しているのは、旅行者にとってかなり安心できますね!

日本航空さん:はい。また搭乗してすぐ、キッチン周辺に除菌シートを設置しています。客さまご自身でひと袋取ってから、お座席に移動していただく流れにしています。さらに、お化粧室を含めお客さまが触れやすいところを中心に、長時間持続する抗ウイルス・抗菌コーティングを稼働する全機材に実施しました。

編集部:自分で座席まわりの気になる部分を拭いたりできるので、そのサービスはうれしいです。ちなみに座席配置についての変更点などありますか?

日本航空さん:以前は座席の間隔を空けるよう間の席をブロックしていましたが、現在(2021年7月現在) は徹底した機内消毒を行い、客室乗務員はマスクや手袋、セーフティグラスを着けてサービスするなど清潔面や安全面のほかの対策が整ってきたので、ブロックはせず自由にお選びいただけるようになっています。ただし機内での正しいマスクの着用と、飛沫が飛ぶような大きな声での会話はお控えいただくようお願いしています。

編集部:乗客として、そのふたつは最低限守りたいですね。

日本航空さん:もう一点、機内持ち込み手荷物は接触を避けるため、基本的にはお客さまご自身での収納をお願いしています。上げ下げできないような荷物は受託手荷物として預けていただけるとありがたいです。

編集部:通路の混雑防止にもなりますし、今後はできるだけ荷物を減らすようにしたいと思います。

テーブルからコントローラーまで徹底的に消毒 ©︎日本航空
テーブルからコントローラーまで徹底的に消毒 ©︎日本航空

徹底した清掃と管理で快適な空間に

徹底した清掃と管理で快適な空間に
指と爪の間までしっかり洗って菌を残さないように ©︎日本航空

編集部:続いて、お化粧室を利用するときの注意などありますでしょうか?

日本航空さん:お化粧室内に手指消毒スプレーを設置しているので、お客さまにはご利用前後に手や指の洗浄と消毒をお願いいたします。

編集部:利用後だけでなく、前後ということがポイントですね。

日本航空さん:いちばん感染源になりやすい場所ですので、国内線の場合ファーストクラスはひとり入られたらその都度、それ以外も30分に一度はお化粧室を清掃するようにしています。通常の清掃に加えてお客さまが触れる可能性のある場所をすべて拭いております。

編集部:そんな高頻度でお掃除されているのですね!

日本航空さん:もともと“世界一きれいなお手洗い”を会社としてとして目指しています 。客室乗務員はお化粧室の清掃後もお客さまに接することになるので、その都度使い捨ての手袋とガウンを着用し清掃を行っています。

編集部:使い捨てとは! 乗客側も消毒を忘れず、できるだけきれいに利用するよう心がけたいです。

化粧室の清掃時には使い捨手袋、ガウンとフェイスシールドを着用
化粧室の清掃時には使い捨手袋、ガウンとフェイスシールドを着用

新しい空の旅で変わる旅行者の準備と意識

新しい空の旅で変わる旅行者の準備と意識
ドリンクサービスでひと息つきたい ©iStock

編集部:機内サービスの方法は変更していますか?

日本航空さん:国内線のドリンクサービスでは、一部内容を変更している期間もありましたが、現在(2021年7月)はコーヒー、スープといった温かいお飲みものもご提供しています 。冷緑茶やアップルジュースといった冷たいお飲み物は通常どおり、紙カップで提供しています 。そして客室乗務員は、手袋とセーフティグラスを着用してサービスをしています。

国内線では冷緑茶・お水・アップルジュースを提供 ©日本航空
国内線では冷緑茶・お水・アップルジュースを提供 ©日本航空

編集部:なるほど。ほかには何かありますか?

日本航空さん:以前は毛布をご用意していましたが、現在は配布をやめています。 機内は寒いと感じられることもあるので、必要と思われる場合は羽織りものをご準備いただくといいかと思います。ほかにも、キャンディーをご自由におとりいただけるようディスプレイすることもありましたが、今はそちらも中止しております。

編集部:できるだけ接触がないようにということですね。

日本航空さん:私たちが絶対にコロナウイルスの感染源になってはいけませんので、いろいろなサービスアイテムを配布することは極力控えています。ただ必要なものがあるときは、遠慮せずにお声がけください。またアンケートを通してお客さまのご要望やご感想を日々確認しています。私の部署では機内サービスや客室乗務員の対応などで、改善できるものはタイムリーに行い、乗務員に周知しています。

編集部:万全の対策をしつつホスピタリティを確保するのは難しいと思うのですが、できる範囲で最大限対応されているのですね。最後に乗客にお伝えしたいことなどありますか?

日本航空さん:私たちもお客さまとの触れ合いを大切に思い乗務しておりますが… やはり人との距離や声の大きさを配慮してくださると、まわりのお客さまも安心できるのではないかなと思います。

便利で安心なサービスの提供を目指して

便利で安心なサービスの提供を目指して
焦らず距離を保って荷物を引き取ろう ©iStock

目的地に到着し飛行機を降りたら、預けた荷物をピックアップして出口へ。実はこのタイミングでも感染症対策をされていると、「空港企画部 旅客・制度企画グループ」の大西さんとカムチャイパイさんが教えてくださいました。

日本航空さん:ターンテーブル周辺はどうしても密になりやすいので、足跡マークや消毒液設置のほかに荷物と荷物の距離をできるだけ離して置くことで、お客さまが近寄ることがないようにしています。ただやはり荷物を減らしていただくことが理想なので、自宅から手ぶらで空港に来ていただき荷物は宅配で同じ飛行機に乗せ目的地まで同日に届けるというサービスを今まさに検討しているところです。

編集部:そのサービスはぜひ実現してもらいたいです! 今日は空港到着から飛行機を降りて荷物引き取りまでの流れを教えていただきましたが、どの場面でも「非接触」・「密にならない」対策をされていることがよく分かりました。

日本航空:エアラインとしてお客さまの不安をできる限り解消できるようにしたいと考えています。

編集部:ありがとうございました。

■ 2020年7月搭乗分以降の国内線は、運休・減便の対象になった場合に無料で変更および払い戻しが可能。詳しくはホームページで確認を
・URL: https://www.jal.co.jp/jp/ja/info/2020/dom/200228/

お話をうかがった4名のプロ

お話をうかがった4名のプロ

日本航空株式会社
商品・サービス企画本部
業務部業務グループ所属
澤 雄介

お客さまに「安全・安心」な空の旅をお届けするため、日本航空としての取り組みすべての総括を担当する。
(*2020年8月11日取材当時のご所属となります。「商品・サービス企画本部」は「カスタマー・エクスペリエンス本部」へと名称が変更されております。)

日本航空株式会社
空港企画部 旅客・制度企画グループ所属
大西康晴(左)、カムチャイパイ クンラウィッチ(右)

安全安心・モアクリーン&レスタッチプロジェクトのほか、JAL SMART AIRPORTプロジェクトや空港グランドデザインを担当する。

日本航空株式会社
客室品質企画部所属
井ノ上理華

客室乗務員として入社。現在は半年に一度程度フライトをしながら、グランドクルーとして機内サービスに関する社内情報の英訳や検疫関連サポートなどさまざまな業務に従事する。

安全・安心な空の旅をしよう ©iStock
安全・安心な空の旅をしよう ©iStock

旅の重要な移動手段である飛行機では、今ハードとソフト両面で最大限の感染症対策がなされていました。またコロナ禍だからこそ検討が進んでいる、新しいサービスや旅スタイルの提案も期待したいところです。そして何より、サービスを提供する航空会社さんの努力だけでなく、利用者である私たち旅行者もマナーやルールをきちんと守りながら、空の旅を楽しむことが大切だと思います。

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©iStock
©iStock

地球の歩き方編集部では、さまざまな分野のプロにお話をうかがいながら、アフターコロナ(withコロナ)の新しい旅のスタイルをシミュレーションしています。ぜひこちらの記事もチェックしてみてください!

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▸「除菌・ウイルス対策のプロ」に聞いてきました!アフターコロナの旅スタイルとは?~沖縄旅行実践編~も近日公開予定です。


地球の歩き方編集部 日隈理絵

◆おことわり
本記事は、2020年8月に取材を行い、地球の歩き方ニュース&レポートに掲載した記事内容を、2021年7月に再編集して掲載しているものです。今後、本記事でご紹介しているサービスや情報等は変更される可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

※初回掲載:2020年08月21日

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