クリスマスムード溢れるパリの町の最新情報!旅行者のための衛生パス申請方法とは?

公開日 : 2021年11月29日
最終更新 :
イルミネーション点灯式の際に歩行者天国となったシャンゼリゼ大通りと凱旋門
イルミネーション点灯式の際に歩行者天国となったシャンゼリゼ大通りと凱旋門

パリは町中にクリスマスが溢れてきました。昨年末は新型コロナの影響により自由に出歩けず、例年と比べて活気も少ない寂しいクリスマスでしたが、今年は以前の様子が今のところ少し戻りそうです。2021年11月現在のフランスの新型コロナ関連の様子とパリの雰囲気をお伝えします。

再びの感染拡大に対応すべくフランスはブースター接種を開始

再びの感染拡大に対応すべくフランスはブースター接種を開始
次のオリンピック開催地のため五輪のモニュメントが掲げられているパリ市庁舎

フランスの新型コロナ対策で、もっとも力が入れられているのが、ワクチン接種とそれにより有効となる衛生パス(Pass sanitaire:パスサニテール)です。衛生パスとは、「ワクチン接種証明」「陰性証明」「治癒証明」のいずれかの証明情報をQRコード化したもの。12歳以上の人は、指定施設へ入場する際に提示する義務があります。

衛生パスのQRコードは紙で持ち歩いてもいいですが、多くの人はフランス政府の新型コロナ対策アプリ「TousAntiCovid」をスマホにダウンロードし、そこにデジタルパスとして携行しています。

衛生パスのスマホ画面
衛生パスのスマホ画面

現在、フランスの新型コロナワクチン接種率は88%(2021年11月25日現在)、その高い接種率のお陰で感染拡大を抑えられ経済活動を再開できているといわれています。ただし、ワクチン接種後6カ月を過ぎるとワクチンによる免疫力が低下し、新型コロナに感染した際に重症化するリスクが再び高まることが分かっているため、フランス政府はブースター接種の環境を急ピッチで整えています。

2021年11月9日にフランスのマクロン大統領はテレビ演説で、65歳以上の全ての人と最も脆弱な人々を対象としたブースター接種キャンペーンを加速させると話しました。さらにフランスのヴェラン連帯・保健相は、11月25日の発表で当初の計画をさらに早めると述べ、18歳以上の全ての成人を対象としたブースター接種の前倒しを発表。また当初6カ月としていた期間を短縮し、最終接種日の5カ月後から受けられるようになりました。

これに伴い、65歳以上の場合、最終接種から7カ月以内に3回目のワクチン接種を終えていない場合は、12月15日以降に衛生パスが無効化。18歳以上の場合は、同じく7カ月以内に3回目のワクチン接種をしていない場合は、1月15日以降に衛生パスが無効化されます。このような形でフランスは3回目のワクチン接種と衛生パスの環境を整えています。

旅行者のためのフランスの衛生パス申請方法

旅行者のためのフランスの衛生パス申請方法
イルミネーションに飾られた市内モントルグイユ通り

日本からの一時滞在者(観光客など)の場合、どのようにフランスの衛生パスを取得すれば良いのでしょうか。欧州連合(EU)域外から訪れる留学生以外の外国人の場合、以前はオンラインを経由して書類提出する方法が取られていましたが、現在は町中にある指定の薬局で衛生パスの申請ができるようになりました。

フランスの衛生パスを申請するには、ヨーロッパ医薬品庁により承認されたワクチン、または同等のワクチンを接種済みで、かつ定められた期間が経過した人に限られます。

パリ市内にある薬局
パリ市内にある薬局

具体的には「1回接種型ワクチン(ジョンソン・エンド・ジョンソン)の接種後4週間以上」「2回接種型ワクチン(ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ)の2回目接種後7日以上」「新型コロナウイルス感染症回復者で接種後7日以上(この場合、必要な接種回数は1回のみ)」「 WHO緊急使用リストに掲載されたワクチン(シノバック/コロナバック、シノファーム/BBIB-PVeroCells)を2回接種後、mRNAワクチン(モデルナまたはファイザー)1回の追加接種後7日以上」のいずれかの条件です。

申請に必要な書類は「パスポート」と「ワクチン接種証明書の紙の原本」です。原本には「姓」「名」「生年月日」「ワクチン接種日」「接種したワクチン」「ワクチンのロット番号(可能であれば)」「接種回数」「接種国」が記載されている必要があります。申請費用は€36(税込)です。

迫る再度の感染拡大への恐れとクリスマスを前にしたパリの町中

迫る再度の感染拡大への恐れとクリスマスを前にしたパリの町中
パリ市内の施設に貼られた「衛生パスは義務」の紙

実際、衛生パスを使う場面は、どれくらいあるのでしょうか。仮に観光客としてパリに滞在する場合を想定すると、主に必要となるのが美術館などの施設への入場、そしてレストラン、そしてクリスマスマーケットです。この記事を書いている現時点では、スーパーやデパートなどでは提示する必要がありません。

多くの人がワクチン接種を受け衛生パスの提示義務があるフランスでは、一時期かなり新型コロナの抑え込みに効果を発揮していたのですが、ここへきて再び感染者が増加。ここ最近は新規感染者数が2万人を超える日が続き、そして11月24日にはフランスのヴェラン連帯・保健相が、24時間の新規感染者数が3万人を超えたと発表しました。しかしながら、パリの町中はまだ悲観的な様子はそれほどまで漂ってはいません。様子をご紹介します。

ギャラリー・ラファイエット・パリ・オスマン店のクリスマスツリー ©Galeries Lafayette
ギャラリー・ラファイエット・パリ・オスマン店のクリスマスツリー ©Galeries Lafayette

11月半ばを過ぎて、パリは各所でクリスマス装飾が始まり、イルミネーションも灯ってきました。パリの百貨店ギャラリー・ラファイエット・パリ・オスマン店では、2021年11月17日に毎年恒例のクリスマスショーウインドーがお披露目に。オープニングセレモニーのゲストには、Netflixで大ヒットをとなったフランスのドラマ『Lupin/ルパン』に主演するオマール・シーなどが招かれました。

■Galeries Lafayette Paris Haussmann(ギャラリー・ラファイエット・パリ・オスマン店)
・住所: 40 Boulevard Haussmann 75009
・最寄り駅(またはアクセス): 地下鉄7・9号線Chaussée d'Antin La Fayette
・営業時間: 本館・紳士館は10:00~20:00(日曜・祝日は11:00~20:00)、グルメ・メゾン館は9:30~21:00(日曜・祝日は11:00~20:00)
・定休日: 無
・URL: https://haussmann.galerieslafayette.com/ja/

プランタンの・オスマン本店のクリスマスショーウインドー
プランタンの・オスマン本店のクリスマスショーウインドー

同じく市内の百貨店プランタン・オスマン本店のショーウインドーは、今年はプラダがメインパートナーに就き、シャネルも香水「No5」の100周年を記念して、コラボウインドーを出しました。

■Printemps Paris Haussmann(プランタン・オスマン本店)
・住所: 64 boulevard Haussmann 75009
・最寄り駅(またはアクセス): 地下鉄3・9号線Havre - Caumartin
・営業時間: 10:00~20:00(日曜は11:00~20:00)
・定休日: 無
・URL: https://www.printemps.com/

サマリテーヌ館内のクリスマス装飾
サマリテーヌ館内のクリスマス装飾

今年6月に16年ぶりに改装再開したサマリテーヌは、今回が再開後、初めてのクリスマス。サマリテーヌの代名詞のような館内にある吹き抜けには、巨大なアドベントカレンダーがディスプレーされています。

■La Samaritaine(サマリテーヌ)
・住所: 9 Rue de la Monnaie 75001
・最寄り駅(またはアクセス): 地下鉄7号線Pont Neuf
・営業時間: 10:00~20:00
・定休日: 無
・URL: https://www.dfs.com/fr/samaritaine

イルミネーションが始まったシャンゼリゼ大通り
イルミネーションが始まったシャンゼリゼ大通り

シャンゼリゼ大通りのクリスマスイルミネーションも11月21日に始まりました。すっかり定番となった赤の電飾です。今年の点灯式にはフランス人歌手のクララ・ルチアーニさんが招待されました。

■Avenue des Champs-Élysées(シャンゼリゼ大通り)
・住所: Avenue des Champs-Élysées 75008
・最寄り駅(またはアクセス): 地下鉄1・9号線Franklin D. Roosevelt

ただし、これらきらびやかな様子も、今後の状況次第では一変するかもしれません。昨年のような、感染拡大に怯えながらじっと家の中で耐える日々に戻らないように、各人の感染対策意識の継続が求められています。

旅のバイブル「地球の歩き方」ガイドブック

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『地球の歩き方 ガイドブック A07 パリ&近郊の町 2021年~2022年版』

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■URL: https://hon.gakken.jp/book/2080127200

※当記事は、2021年11月28日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2021年11月23日現在、国によってはいまだ観光目的の渡航が難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。

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筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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