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フランスの世界遺産の歩き方~悠久の歴史を旅する

2020年01月31日

フランス観光の醍醐味はグルメやショッピングにいたるまで多岐にわたりますが、その中でも世界遺産はぜひ見ておきたいもの。フランスには、さまざまな世界遺産が数多くあります。今回は、おすすめの世界遺産をエリア別にご紹介するので、観光プランを立てる際に参考にしてください。

フランスの世界遺産

フランスへ行くなら世界遺産を訪ねてみよう ©iStock

フランスには数多くの世界遺産があり、海外県と海外領土にあるものを含めると、2019年12月時点で45件にものぼります。日本が保有する世界遺産数23件と比較すると圧倒的な量です。

この記事では、フランス国内にある41件の世界遺産をエリアごとに紹介します。

パリ&イル・ド・フランスの世界遺産

豊かな自然と世界遺産が織り成す風景(シャルトル) ©iStock

フランスの首都であり、文化や交通の中心地であるパリ。そしてパリを中心とした地域圏のイル・ド・フランス。このエリアから、フランス観光で必ずと行っていいほど訪れるパリの世界遺産を4件ご紹介します。

■パリのセーヌ河岸

パリの歴史はセーヌ川の中洲にあるシテ島から始まりました。紀元前3世紀頃、ここに最初に暮らし始めた「パリシー人」にちなんでパリと名づけられました。

世界遺産である「パリのセーヌ河岸」は、シェリー橋からイエナ橋までの約8kmが登録の対象で、この周辺にはエッフェル塔をはじめ、ルーヴル美術館など、有名な観光スポットが点在。まさにパリ観光の中心となる場所です。セーヌ川には遊覧船も通っており、船上からセーヌ河岸を見渡してみるのも楽しみ方のひとつです。

・登録年:1991年

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完成までに50年あまりを要したヴェルサイユ宮殿 ©iStock

■ヴェルサイユの宮殿と庭園

ヴェルサイユの宮殿はルイ13世によって建設されました。もともとは狩猟を楽しむための小さな館でしたが、1661年に親政を開始したルイ14世の「有史以来、最も大きく、最も豪華な宮殿を!」という声によって宮殿へと造り変えられ、ルイ14世が希望したとおり、現在でも、世界で最も豪華な宮殿といわれています。

ヴェルサイユ宮殿の建設にあたってはあらゆる贅が尽くされ、森を造りセーヌ川の流れを変え、見事な庭園が造られました。フランス絶対王政の権力の象徴ともいえる世界遺産です。

・登録年:1979年

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さまざまな建築様式を楽しめるフォンテーヌブローの宮殿 ©iStock

■フォンテーヌブローの宮殿と庭園

フォンテーヌブローの宮殿は、フランスで建設された初めての本格的ルネッサンス建築といわれます。もともとはパリの王族が狩猟を楽しむための宿泊場として建設されましたが、フランソワ1世やナポレオン3世と歴代の君主たちが手を加え、それぞれの時代に応じた多様な建築様式を持つ今の姿となりました。

宮殿はもちろん庭園も素晴らしく、ヴェルサイユ宮殿の庭園を手掛けたル・ノートルによる花壇は必見。かつて王たちの祝祭の舞台であった「鯉の池」ではボート遊びもできます。

・登録年:1981年

■シャルトル大聖堂

聖母マリア信仰の重要な巡礼地として名を馳せるシャルトル大聖堂。中世から多くの巡礼者が訪れており、シャルトル市のシンボルとしても大切にされている世界遺産です。1194年に大火災があり、ファサードを残してほとんど焼け落ちましたが、当時としては短期間で再建され、フランスで最も美しいゴシック建築のひとつとして評価されています。

大聖堂内部には繊細なステンドグラスが数多くあり、「シャルトルの青」と称えられるその輝きをぜひ堪能したいものです。晴れた日の午後遅くには差し込む光によって青い世界がつくり出され、えもいわれぬ光景を楽しめます。

・登録年:1979年

■中世市場都市プロヴァン

プロヴァンは人口約1万2000人の小さな町ですが、11世紀から13世紀にかけてはシャンパーニュ地方で最も繁栄した町のひとつでした。9本もの街道が交わる交通の要所となっていたことと、年に2回開催されていた「シャンパーニュ大市」がヨーロッパを代表するほど華やかだったことが、その理由です。

当時はシャンパーニュ地方の領主であったシャンパーニュ伯の要塞都市としても機能していたため、現在でも城壁が残り、当時の様子を今に伝えています。

・登録年:2001年

ブルゴーニュの世界遺産

小さな集落が点在し、人々がブドウ栽培に精を出す ©iStock

ブドウ栽培や酪農が盛んなブルゴーニュらしく、ブドウの栽培地が世界遺産として登録されています。シトー会修道院もはずせない観光スポットのひとつです。

心が安らぐ静かな空間が広がるフォントネー修道院 ©iStock

■フォントネーのシトー会修道院

フォントネー修道院は、現存するシトー会の修道院としては最古。ブルゴーニュ出身のベルナール(聖ベルナール)という青年修道士によって1118年に創設され、フランス革命後に製紙工場として利用されましたが、その後修復が行なわれ創建当時の姿を取り戻しました。

シトー会は「清貧」「質素」を信条とし、祈りと労働を守る宗派で、修道院の建物も装飾が排除された簡素な造りになっています。穏やかで心休まる静かな空気が感じられる空間です。

・登録年:1981年

■ブルゴーニュのブドウ栽培地

「黄金の丘(コート・ドール)」と呼ばれるブルゴーニュの丘陵地に広がるブドウ栽培地。ブドウ栽培地の区画は「クリマ」と呼ばれており、ブルゴーニュには実に1247ものクリマがあり、南ディジョンからマランジュまで50kmにわたって広がっています。

ブルゴーニュはボルドーと並ぶワインの産地。ブルゴーニュのブドウ栽培地「クリマ」は、約100年間にわたるブドウ栽培やワイン生産の技術が結集されたものとして、2015年に世界遺産に登録されました。

・登録年:2015年

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■ヴェズレーの教会と丘

ヴェズレーは小高い丘の上に沿うように民家が建てられた村で、坂道を登りきったところに「サント・マドレーヌ・バジリカ聖堂」が静かにたたずんでいます。娼婦から改悛し、聖女としてあがめられるようになった「マグダラのマリア」の遺骨を祀っているとされ、12世紀には大勢の巡礼者が訪れました。

13世紀以降、その人気は衰え凋落の一途をたどったものの、19世紀に入り聖堂の歴史的価値が認められ、建築家のヴィオレ・ル・デュックによって修復されました。町並みも中世の雰囲気をそのまま残しており、聖堂とともにフランスの歴史を伝えてくれるかのようです。

・登録年:1979年

フランシュ・コンテの世界遺産

森林と水が豊富で、美しい自然とアウトドアのアクティビティが楽しめる ©iStock

フランシュ・コンテはジュラ山脈の麓に広がる自然豊かな地域。日本からの観光客は多くありませんが、世界遺産をはじめとした見どころが多い地域です。

高台に造られたブザンソンの城塞からはパノラマビューが楽しめる ©iStock

■ヴォーバンの要塞群

ヴォーバンはルイ14世に仕えた高名な軍事建築家。数多くの要塞建築物を手がけ、ヨーロッパ、アメリカ、ロシア、東アジアの要塞建築に大きな影響を与えました。

そのヴォーバンが1667年~1707年に手がけた中で高い評価を受けている計12ヵ所が、2008年に世界遺産に登録。ブザンソンの城塞もそのひとつで、1677年から1693年にかけて建設されました。海抜118mの高台にあり、動物園や水族館も備えた人気の観光スポットです。

・登録年:2008年

■天日製塩施設、サラン・レ・バン大製塩所からアルケ・スナン王立製塩所まで

ルイ16世の命によって、1775年に建設が始まったアルケ・スナン王立製塩所は、建築家クロード・ニコラ・ル・ドゥーの設計によるものです。岩塩が豊富なブザンソンの製塩は、当時のフランス経済を支えていた産業のひとつ。そこで製塩所を中心として、研究所、浴場、住宅などを含む円形の町をつくるという壮大な計画のもと建設が進められましたが、財政の問題によって半円が完成したところで中断。

産業建築の歴史上、重要な建築物として1982年に世界遺産に登録されましたが、2009年にはサラン・レ・バン大製塩所も加えて拡大登録されました。

・登録年:1982年、2009年

ロワールの世界遺産

ロワール川沿いの緑に囲まれた古城(ショーモン・シュル・ロワール城) ©iStock

ロワール川の流域にあるこのエリアは、最もフランスらしいといわれる地方。穏やかな田園風景と昔ながらの町並み、そして優雅な姿を見せる古城たち。この地域ならではの美しい景観を楽しめます。

ロワール渓谷の入り口にそびえ立つシャンボール城 ©iStock

■シュリー・シュル・ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷

ロワール川を含むシュリー・シュル・ロワールからシャロンヌまでの地域のこと。地域一帯が世界遺産として登録されており、1981年に登録済みの「シャンボールの城と領地」も含まれます。

この地域の見どころは、なんと言っても景観の美しさ。農地には長年にわたる人と自然の共生の歴史を見ることができ、美しいロワール川に沿って数多くの古城が遺された景色を望むことができます。

・登録年:2000年

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■ブールジュ大聖堂

12世紀末から13世紀末にかけて建設されたブールジュ大聖堂。正式名称は「サンテティエンヌ大聖堂」といい、ロワール川以南で建築された初めてのゴシック式建築物であり、フランスゴシック建築の代表作とされています。

幅41m、奥行き120m、身廊の高さ37.15mと建物の大きさもフランスゴシック建設としては最大。重厚感のある建物の中央には聖書の「最後の審判」をテーマにした精細な彫刻が、内部には同じく聖書モチーフのステンドグラスが数多く遺されており、その美しさはいつまでも眺めていたくなるほどです。

・登録年:1992年

アルザス、ロレーヌ、シャンパーニュの世界遺産

ドイツの影響が色濃いストラスブールの町並み

ドイツとの国境に面するこの地域の世界遺産は、ドイツの影響を色濃く受けたストラスブールと、華やかなロレーヌ王国の都市計画を現在に遺すスタニスラス広場のふたつが特徴的です。

■ストラスブールのグランディルとノイシュタット

ストラスブールは、フランスとドイツの領土争いに翻弄された歴史を持ちます。17世紀にフランス王政によって統治され、普仏戦争でドイツの領地となり、第1次世界大戦でフランスへと返還されます。第2次世界大戦中はドイツのナチスが占領しましたが、ドイツの敗戦後、再びフランス領地となりました。

領土争いの舞台となったこの地域は、ヨーロッパの平和への願いの象徴となり、現在では欧州評議会が設置されています。1988年にストラスブールが世界遺産に登録された後、2017年にノイシュタットも加えて拡大登録されました。

・登録年:1988年、2017年

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ロレーヌ公国の華やかな時代を今に伝えるスタニスラス広場 ©iStock

■ナンシーのスタニスラス広場、カリエール広場、アリアンス広場

ナンシーはフランスを代表するふたつの芸術が誕生した町。18世紀には貴族が好んだロココが、19世紀には人々の生活に密着したアールヌーヴォーがこの町から生まれました。そんなナンシーの見どころとなるのは、スタニスラス広場、カリエール広場、アリアンス広場の3つです。

特にスタニスラス広場は、18世紀にロシア軍に追われたポーランド国王のスタニスラス・レスチンスキーの命によって生まれたという広場。美しさにも定評があり、2015年6月には、フランスのツーリスト雑誌の「フランスの広場18選」にも選ばれました。

・登録年:1983年

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■ランスのノートルダム大聖堂、サン・レミ旧大修道院およびトー宮殿

ノートルダム大聖堂が着工されたのは1211年のこと。それから1世紀にわたり建設が続けられ、ゴシック建築最盛期の傑作とされています。トー宮殿はノートルダム大聖堂の修復時に彫刻や宝物を保管した施設で、現在ではそのまま美術館として見学可能。

そこから少し離れたところにあるサン・レミ・バジリカ聖堂は、フランク王国の初代国王クロヴィスに洗礼を与えた司教サン・レミ(聖レミ)の遺体が置かれている聖なる場所です。

・登録年:1991年

■シャンパーニュのブドウ耕作地と製造所

シャンパン誕生の地であるシャンパーニュにおいて、シャンパンの生産や流通機能が市街地や田園風景に根付いている独特な景観が認められて世界遺産に登録されました。この背景には、ブドウの栽培、数世代にわたって受け継がれ完成された技術、原産地証明の保護など、たゆみない努力がありました。

世界遺産には、シャンパーニュ地方にあるいくつかのブドウ畑とセラーが登録されており、見学を受け付けているところもあります。中には1729年創業という歴史を誇るシャンパーニュ・メゾンもあり、2次発酵させるためにセラーに寝かされた、たくさんのシャンパンのボトルを見ることができるでしょう。

・登録年:2015年

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ノール、ピカルディーの世界遺産

フランスで最大の規模を誇るゴシック様式建築のアミアン大聖堂 ©iStock

ベルギーとの国境に面し、海峡をはさんでイギリスを望むこの地方は、商業の伝達路として古くから発展してきました。世界遺産にもそのような土地柄が反映されているものがあります。

■アミアン大聖堂

アミアン大聖堂(ノートルダム大聖堂)は1220年に着工し、1288年に主要部分が完成しました。身廊はフランス国内で最も高い42.3m、内部の長さは145mを誇る壮大な大聖堂です。

現存するゴシック建築として最も完成度が高いとされており、内外に施された繊細な彫刻は、「石の百科全書」と呼ばれているほどの美しさ。ステンドグラスの数は少ないですが、美しい彫刻と広壮な建物は右に出るものがないほどです。

・登録年:1981年

■ノール・パ・ド・カレーの鉱業盆地

ノールとパ・ド・カレーに広がる、約120kmにも及ぶ炭田地帯。現存している炭鉱や運河、線路、炭鉱で働いていた人々の住居、宗教施設、学校などの施設から成り立っており、施設数は109にも上ります。これらの施設ができあがったのは、18世紀から20世紀にかけてのこと。炭鉱とそれに関わる都市計画が評価された世界遺産登録のポイントで、独特な景観を見ることができます。

リール近くにあるランスは、2012年にルーヴル美術館の分館がオープンして話題になりましたが、かつてはヨーロッパ有数の炭鉱町として栄えていました。ここではボタ山や炭鉱跡などを見学できます。

・登録年:2012年

■ベルギーとフランスの鐘楼群

ベルギー、フランス両国の世界遺産として登録されています。鐘楼群があるフランドル地方は、フランスとベルギーにまたがる地。フランダース地方とワロン地方にある中世に建設された32の鐘楼が、まず1999年に世界遺産となり、2005年にフランス北西部及びベルギーの鐘楼が追加登録され、両国合わせて56の鐘楼群となりました。

鐘楼の建設は、フランスにおいて自立と自由を表すもの。施設として重要な位置づけにあります。

・登録年:1999年、2005年

ノルマンディーの世界遺産

毎年世界中から250万人が訪れるフランスで最も人気の観光地 ©iStock

酪農が盛んで美しい海岸が続くノルマンディー地方。ここには、フランスの世界遺産として最も人気の高いモン・サン・ミッシェルがあります。

■モン・サン・ミッシェルとその湾

歴史に翻弄されてきたモン・サン・ミッシェル。14~15世紀の百年戦争では要塞となり、18世紀のフランス革命では破壊と略奪の対象に。その後は牢獄として1万4000人もの人が送り込まれました。

しかし、評価すべき芸術作品として19世紀末に修復が開始され、1979年には「モン・サン・ミッシェルとその湾」が世界遺産に登録。フランスの歴史を物語る貴重な遺産として、厳かな修道院として、そして芸術作品として、ぜひ一度は見ておきたいものです。

・登録年:1979年

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戦後の荒廃から見事に復興したル・アーヴルの町並み ©iStock

■ル・アーヴル、オーギュスト・ペレによる再建都市

ル・アーヴルは、第2次世界大戦による甚大な被害を被った町。終戦後の1945年から1964年にかけて、当時の新技術であった鉄筋コンクリートを用い、建築家オーギュスト・ペレにより再建された町は、復興都市として例を見ないほどの完成度を誇るとされました。

壊滅的な被害を被ったにも関わらず、完成した町並みは統一性と完全性の高さが高く評価され、2005年に世界遺産へと登録。この再建によって、ル・アーヴルはノルマンディーの中心都市として復活しました。

・登録年:2005年

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大西洋岸の世界遺産

月の港・ボルドーは多くの観光客を魅了する美しい町並み ©iStock

年間を通して暖かい気候で、フランスで最も名高い銘柄のワインである「ボルドー」の生産地である大西洋岸。その代表であるサンテミリオン地域のほか、美しいボルドーの町自体も世界遺産に登録されています。

■月の港、ボルドー

ワインの生産地として有名であり、港町として栄えた。「月の港」という異名は、市街地がガロンヌ川の湾曲部に沿って三日月型に形成されたことによります。ボルドーの歴史は古く、紀元前56年から発展を始め、12世紀後半にはすでにワインの生産地として知られていました。

18世紀にはワイン交易によって黄金時代を迎え、その時代に建設された建造物は必見です。1730年着工のブルス広場と宮殿、1780年に完成した大劇場など、新古典様式の建造物が多く建ち並んでいます。

・登録年:2007年

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■サンテミリオン地域

ボルドーの北東にあるサンテミリオン地域は、ボルドーワインの中でも特に名高い銘柄「サンテミリオン」の生産地。古くから伝わるワイン醸造法を現在も変わらず続けている町です。

この町の始まりは、ブルターニュ出身のエミリオン(聖エミリオン)という修行僧が、洞窟を掘って隠遁し始めたことに由来すると言われています。9世紀から12世紀にかけて、エミリオンの弟子たちによって造られたモノリス(一枚岩)の教会はぜひ見ておきましょう。

・登録年:1999年

■サン・サヴァン・シュル・ガルタンプの修道院教会

サン・サヴァンは小さな村ですが、その中央にそびえるサン・サヴァン修道院付属の教会にあるフレスコ画は、ロマネスク絵画最大といわれるほどの規模。旧約聖書をモチーフにした36枚の天井画は、1100年に描かれたその姿をほぼ残しています。

実はこのフレスコ画の価値を証明したのは、日本人美術史学者の吉川逸治氏。遠いサン・サヴァンの地ですが、日本人が関わっていると不思議と身近に感じられますね。

・登録年:1983年

南西部の世界遺産

ピレネー山脈を背後に擁す自然豊かな南西部 ©iStock

ピレネー山脈近くの自然豊かな南西部は、避暑やウインタースポーツを目的とする観光客から人気を集める地域。実に8ヵ所もの世界遺産があり、フランスで世界遺産を巡る旅をするのであれば、必ず訪れておきたい地域です。

サン・ジャン・ピエ・ド・ポールの道路には巡礼路の方向マーカー ©iStock

■サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路

サンティアゴ・デ・コンポステーラは、キリストの十二使徒のひとりである聖ヤコブの聖遺体が安置されているスペインの聖地。多くの巡礼者を集め、中世にはこの地への巡礼路が生まれました。フランスからの巡礼路は、ピレネー山脈を越えてスペイン北部に入ることになります。

その巡礼ルートは起点をパリとする「トゥールの道」、ヴェズレーからの「リモージュの道」、ル・ピュイ・アン・ヴレイからの「ル・ピュイの道」、アルルから始まる「トゥールーズの道」の4つ。最盛期には年間50万人もの巡礼徒が訪れたそうです。

・登録年:1998年

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■アルビの司教都市

アルビは10世紀から11世紀に発展し始めた町です。13世紀にはキリスト教で異端とされたカタリ派に対抗し、アルビ十字軍を形成しカタリ派を弾圧したことから司教都市となりました。1282年着工のサント・セシル大聖堂は高さ40mを誇るレンガ造りの南仏ゴシック様式の建造物で、その鐘楼は高さ78mを誇ります。教会の威容を示す必要から要塞のような姿に造られたと言われています。

町の中には同じくレンガ造りの南仏ゴシック様式の建造物が多く残されており、統一感のある景観です。中世建築を見学したいという方にとっては、外せないスポットでしょう。

・登録年:2010年

全長3kmにも及ぶ城壁を持つカルカソンヌの城塞 ©iStock

■歴史的城塞都市カルカソンヌ

カルカソンヌはカタリ派の里であり、ヨーロッパ最大の城塞が遺されている町です。ヨーロッパの交通の要衛となっていたこの地に、砦が築かれたのは紀元前3世紀のこと。城塞は12世紀に、町を包む城壁は13世紀から14世紀に完成したといわれています。

都市と城塞の拡大期であった11世紀、カタリ派はこの地に根付きました。13世紀にはカタリ派弾圧のためのアルビジョワ十字軍の攻撃により降伏、この城塞はフランス王領に取りこまれます。その後、スペインとの国境紛争が起こり重要な存在となるものの、17世紀にスペインの国境が西に退くことで城塞としての役割は終了、衰退の一途をたどります。1844年に再建運動が起こり、現在の姿に復元されました。

・登録年:1997年

ミディ運河ではクルーズも楽しめる ©iStock

■ミディ運河

ミディ運河は1667年から1694年にかけて造られ、南仏の交易と商業の飛躍を支えてきた存在です。大西洋に河口をもつガロンヌ川とトゥールーズで分岐して地中海の港町セートを結ぶことで大西洋と地中海の交易を可能にしました。360kmにも及ぶ水路には、高度な土木技術によって造られた水門、橋、隧道が328もあります。

この巨大な運河を造ったのは、塩税徴収請負人のピエール=ポール・リケ。今では交易路としての役割を終えましたが、運河クルーズや散歩道として人々に愛されています。

・登録年:1996年

■ヴェゼール渓谷の先史時代史跡群と洞窟壁画群

ヴェゼール渓谷には、先史時代のクロマニョン人による洞窟壁画が残されており、高い歴史的価値を誇ります。最初に発見されたのは1940年のことで、犬を探していた4人の少年がラスコーの1万7000年前の壁画を発見しました。現在この壁画は保護のために閉鎖されており見学できませんが、複製洞窟を見学することは可能です。

ルフィニャック洞窟では、複製ではない1万3000年前に描かれたマンモスの壁画を見られます。当時に描かれた本物が見たいという方は、こちらで悠久の時に思いを馳せてください。

・登録年:1979年

3000m級の山々を望むガヴァルニー圏谷への道 ©iStock

■ピレネー山脈-ペルデュ山

フランスとスペインの両国で世界遺産に登録されています。フランスとスペインの国境に位置するピレネー山脈の中央にそびえる標高3352mのペルデュ山周辺は景観の美しさが際立つエリア。このフランス側にはガヴァルニー圏谷をはじめとする3つの圏谷があります。氷河の侵食によって形成されたその景観はピレネーを代表するものです。

一帯にある居住地では、農村や牧場、牧草地などののどかな景色が広がっており、かつてのヨーロッパの農牧民の生活を垣間見せてくれます。

・登録年:1997年、1999年

■コースとセヴェンヌ、地中海の農耕・牧畜の文化的景観

中央山塊南部の30万2319ヘクタールという広大なエリアが世界遺産に登録されました。深い渓谷がいたる所にある壮大な景観や11世紀に形作られた修道院の影響を受けた石造りの農家が見ものです。

フランス国内では伝統的な移動放牧が続いている地域はすでになく、この世界遺産に含まれているモン・ロゼーレが最後とされています。美しく壮大な自然だけでなく、伝統的なフランスの牧畜も見られる唯一の場です。

・登録年:2011年

約2000年前に造られた巨大な水道橋ポン・デュ・ガール ©iStock

■ポン・デュ・ガール

古代ローマ時代に建設された、南仏のガルドン川にかかる水道橋。ローマの都市であったニームに水を運ぶために建設されました。約2000年前の紀元前19年頃に建設されたにもかかわらず、高さ50m、全長275mという大きさを誇ることに驚愕します。

古代ローマの町づくりにおいて、水が供給されるということはとても大切なことでした。この世界遺産は、ローマ帝国の歴史を目の当たりにできる貴重なものです。

・登録年:1985年

プロヴァンスの世界遺産

いかにもローマ時代らしいアルルの円形闘技場 ©iStock

フランスの中でも温暖で南国のようなプロヴァンスには、古代ローマ時代の繁栄の名残を感じさせる世界遺産があります。

■アルル、ローマ遺跡とロマネスク教会

アルルは紀元前6世紀頃からギリシア人により植民された後、紀元前1世紀頃、カエサルが統治するローマ帝国の植民地となりました。今では小さな町ですが、その当時の繁栄の痕跡を色濃く残しています。

要衝として建設されたアルルの町は、ローマ植民地における中心都市として機能。紀元75年頃に完成したアルルで最も大きなモニュメントである円形闘技場、古代劇場、古代フォーロム地下回廊と、「ガリアの小ローマ」と呼ばれた町らしく、ローマ時代の遺跡を存分に楽しめます。

・登録年:1981年

童謡の歌詞にも登場するアヴィニョンのサン・ベネゼ橋 ©iStock

■アヴィニョン歴史地区

アヴィニョン歴史地区は、1309年から約70年にわたり、カトリックのローマ教皇が住んでいたエリア。教皇庁とフランス国王の関係が険悪になっていた当時、教皇として選出されたクレメンス5世が、フランス王に屈して教皇庁をアヴィニョンに移動させました。この時期は「教皇のバビロン捕囚」とも呼ばれています。

捕囚と呼ばれながらも、教皇庁が設置されたことによってアヴィニョンは繁栄しました。現在のアヴィニョンの文化と芸術に満ちた雰囲気は、この歴史的背景があってこそです。

・登録年:1995年

■オランジュのローマ劇場と凱旋門

オランジュは紀元前1世紀頃、ローマ帝国のカエサルによって建設された植民都市。ローマ帝国時代には重要な町として栄え、世界中で最も保存状態の良いローマ遺跡のひとつが見られます。凱旋門はカエサルのプロヴァンス勝利記念として紀元前20年に建設されたという、歴史的価値の高い建築物です。

特に保存状態が優れていて、ほぼ当時のままの形を遺しているのが古代劇場。約2000年の施設にも関わらず音響効果に優れており、なんと現在でも国際的な音楽祭が毎年使われています。

・登録年:1981年

集合住宅の傑作、マルセイユにある「ユニテ・ダビタシオン」 ©iStock

■ル・コルビュジエの建築作品 近代建築運動への顕著な貢献

2016年に世界遺産に登録されたル・コルビュジエの建築作品群は、7ヵ国にある合計17の建築物で構成されています。10作品がフランスにあり、その中でも1945年から1952年にかけて、集合住宅として建築されたユニテ・ダビタシオンは一見の価値あり。

17階建ての巨大なユニテ・ダビタシオンは、住宅だけでなく、ホテルや商店街、郵便局、幼稚園も備えた「ひとつの町」のような建築物。20世紀における新しい集合住宅像を創り上げたことで重要な存在です。

・登録年:2016年

コルシカ島の世界遺産

地中海を背に夕焼けに染まるコルシカ島のバラニェ村 ©iStock

コルシカ島は地中海で3番目の大きさを誇り、「イル・ド・ボーテ(美の島)」という別名を持つ島。フランスよりイタリアに近く、世界遺産であるポルト湾にはニースからも行くことができます。

■ポルト湾:ピアナのカランケ、ジロラッタ湾、スカンドラ保護区

ポルト湾一帯は、フランスで最初に自然部門の世界遺産として登録を受けたところ。花崗岩の断崖は赤い独特の色を発し、海水は驚くほど高い透明度を誇る青。その相対する色彩が作り出す景観は、まるで絵画のような美しさです。

ポルト湾の近くへは、ニースかトゥーロンから船で行くことが可能。このエリアは厳しい管理のもとで保護されているため車では行けませんが、観光船が運航されているのでそちらを利用しましょう。

・登録年:1983年

ローヌ・アルプの世界遺産

ローヌ・アルプのレ・ズッシュから眺めるモンブラン ©iStock

スイス、イタリアと国境を接し、水が豊かなローヌ・アルプは古くから繁栄してきました。史的価値が高い世界遺産が残されており、フランスを旅するなら一見の価値ありです。

丘の上に建つノートルダム・ド・フルヴィエール・バジリカ聖堂(リヨン) ©iStock

■リヨン歴史地区

リヨンが繁栄を始めたのは、紀元前1世紀のこと。古代ローマ帝国のガリア植民地の首府として建設されたリヨンは、15世紀には定期市の開催、銀行の設置によって経済的な繁栄を見せ、フランス・ルネッサンスの中心地となります。

2000年以上にわたる歴史の中で、常に中心的な存在だったリヨン。旧市街のルネッサンス建築の美しさは見ものですが、芸術や食などすべてに歴史の深さと繁栄ぶりを感じることでしょう。

・登録年:1998年

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かつて湖上集落があったアヌシー湖 ©iStock

■アルプス周辺の先史時代の湖上住居遺跡群

フランスをはじめ、オーストリア、ドイツ、イタリア、スロベニア、スイスと合計6ヵ国に広がる世界遺産です。湖上住居遺跡群とは、紀元前5000年から500年頃にかけて建設された高床式住居の跡。観光地のアヌシー湖やブルジュ湖などにも湖上集落はありました。

遺産は各国の合計で111にのぼりますが、いずれも保存状態がとてもよいことが特徴的。現在では湖底に杭が残っているだけで、水中に潜らない限り遺跡を見ることはできませんが、アヌシー湖などを訪れて新石器時代、青銅器時代の文明を感じるのもよいかもしれません。

・登録年:2011年

■ショーヴェ・ポン・ダルク洞窟とも呼ばれるアルデシュ県ポン・ダルクの装飾洞窟

フランス南東部のアルデシュ県には洞窟や鍾乳洞が多いですが、その中でも歴史的な価値が高いのがショーヴェ洞窟。内部には世界最古とされる3万年以上前の壁画が遺されており、その数はなんと1000点にものぼります。

洞窟は2万年前の落石によって入り口がふさがれていたため、保存状態が驚くほど良好。動物画としての精度の高さ、歴史的価値の高さ、芸術的な絵画表現のすべてが揃っている奇跡的な壁画です。

・登録年:2014年

オーヴェルニュの世界遺産

数々の火山が連なり形成されるオーヴェルニュ ©iStock

オーヴェルニュ地方の大部分を占める中央山塊は、ピュイ・ド・ドーム山を中心とした火山群。最高峰のピュイ・ド・ドーム山頂からはオーヴェルニュの起伏に富んだ360°の大パノラマを満喫できます。

■ピュイ山脈とリマーニュ断層の地殻変動地域

世界遺産として認められたのは、連なる火山帯と並行して走る断層が地殻変動のプロセスを伝えているという理由から。その火山帯の中心にある標高1465mのピュイ・ド・ドームには、古代ローマ帝国の人々が使っていたハイキングコースもあり、フランスとローマの歴史を感じられる地でもあります。

・登録年:2018年

まとめ

世界遺産を訪ねて歴史、文化、自然を実感してみては ©iStock

フランスの世界遺産を地域ごとにご紹介してきました。フランスは長い歴史を持つ国で、ルネッサンス、ゴシックとさまざまな時代の建築物や文化を楽しめるだけでなく、イタリアやドイツなどとのかかわりを残す世界遺産も多く存在します。

フランスはとても華やかな国なので、グルメ体験やショッピング、新しい観光ポイント巡りも楽しいでしょう。しかし、フランスの悠久の歴史と文化、壮大な自然を肌で感じられる世界遺産巡りも、ぜひ観光プランのひとつとして加えてみてはいかがでしょうか。

PHOTO:iStock

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