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フランス最古の港町マルセイユの歩き方

2019年10月22日

フランスの海の玄関であり、数々の映画の舞台ともなった港町マルセイユ。カフェに入れば、フランス語に混じって、いろいろな国の言葉が聞こえてくるなど、港町のロマンと旅情をたっぷり味わえる町です。近年、独創的な現代建築が次々と建てられ、デザイン都市としても注目を浴びています。

フランス第2の都市マルセイユの場所・行き方

TGVが停車する近代的な「マルセイユ・サン・シャルル駅」

人口約90万人とパリに次ぐ規模をもつフランス第2の都市マルセイユは、パリから南へ約780km、南仏プロヴァンス地方の地中海岸にあります。パリからのアクセスは、空路の場合、シャルル・ド・ゴール空港またはオルリー空港からマルセイユ・プロヴァンス(Marseille Provence)空港まで約1時間15分~1時間30分。日本からの直行便はありませんが、主要航空会社を利用してパリなどを経由してアクセスすることができます。鉄道の場合、パリ・リヨン駅からマルセイユ・サン・シャルル(Marseille St-Charles)駅まで高速列車TGVで約3時間20分。

マルセイユの歴史

発掘された古代の遺跡をそのまま展示している「マルセイユ歴史博物館」

●古代ギリシア時代に生まれた町
紀元前600年頃、古代ギリシアの都市のひとつであるフォカイアは地中海地域で積極的に植民活動を行っていました。そのひとつとして、ラシドンの入り江(現在の旧港)と呼ばれる場所に建設されたのが、マッサリア(現在のマルセイユ)です。紀元前49年にはカエサル(シーザー)に征服され、その支配下で古代ローマ都市として発展していきます。旧港近くでは、当時の遺跡が多数発掘されており、歴史博物館も造られています。

その後地中海交易で栄えたマッサリアは、10世紀にはプロヴァンス伯領となります。フランス王国に併合されたのは15世紀後半になってからのこと。16世紀には、地中海に浮かぶイフ島に王立の要塞であるイフ城が建設されるなど、マルセイユはフランスの歴史のなかにも登場するようになりました。

「ラ・ヴィエイユ・シャリテ」の礼拝堂

●歴史を語り継ぐ数々の建築物
マルセイユには、その歴史を語り継ぐ建築物がいくつも残っています。たとえば、細い路地が入り組むパニエ地区にあるラ・ヴィエイユ・シャリテは、17世紀、マルセイユ生まれの建築家ピエール・ピュジェによって造られた、フランスバロックを代表する建築物です。もともと貧困層救済のために建てられた施療院でしたが、第2次世界大戦後はしばらく放置されたままの状態が続きました。このとき、建物の老朽化を指摘し、改修されるきっかけをつくったのは、近代建築の父と呼ばれる建築家ル・コルビュジエです。マルセイユには、ル・コルビュジエ自身が設計し、ユネスコの世界遺産に登録された集合住宅もあります。

大型クルーズ船から貨物船まで寄港する港湾都市マルセイユ。水運によって繁栄を築いている点は古代から現代まで変わりませんが、2013年、欧州文化首都に指定されたのを契機に、“文化都市”としての顔をあわせもつようになっていきます。世界的建築家を起用しての独創的な現代建築が次々誕生し、今では、建築やデザインに関心のある人にとっても、見逃せない町のひとつとなっています。

マルセイユの名所・観光スポット

ヨットや遊覧船が停泊する「旧港」

●旧港 Vieux Port
港湾都市マルセイユで、昔ながらの「港町」の雰囲気を今も残しているのが旧港です。
近年、周辺の再開発が行われ、「ロンブリエール」という巨大な鏡のような日除けが置かれるなど様変わりした部分もありますが、ここに立つ「魚市」の風景は変わりません。漁師たちが捕れたばかりの魚を並べて売る光景は、マルセイユの朝の風物詩ともなっています。

英国の建築家ノーマン・フォスター卿が設計した「ロンブリエール」
「ノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂」の塔にある聖母像 ©iStock

●ノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂 Basilique Notre-Dame de la Garde
海抜154mの丘の上に立つ聖堂。1853~1864年に建設されたもので、塔の頂きでは「ボンヌ・メール(優しい聖母さま)」とマルセイユっ子たちから慕われる聖母像が町を見守っています。ロマネスクビザンチン様式の内部は壮麗そのもの。港町の聖堂らしく、航海にまつわる奉納画やつるし飾りがあり、多くの人にとって心のよりどころとなっていることがわかります。聖堂へは坂道を上らなければなりませんが、旧港から出発する観光列車プチトランを利用すればらくちんです。

ストライプ模様が印象的な「サント・マリー・マジョール大聖堂」©iStock

●サント・マリー・マジョール大聖堂 Cathédrale Ste-Marie Majeure
ストライプ模様で覆われた外観が特徴的な大聖堂で、パニエ地区と旧港の間にあります。ビザンチン様式の壮大な大聖堂で、一見古いものに見えますが、実は建てられたのは1852~1893年と、比較的歴史の浅い建築物です。3000人を収容できるというフランスでも有数のスケール感を味わい、どこかエキゾチックな雰囲気のある内装などをじっくり見てください。

地中海に浮かぶ「イフ島」

●イフ島(イフ城) Ile d'If - Château d'If
旧港から船で20分ほどで着くイフ島。16世紀、ここに築かれた要塞に、数多くの囚人たちが幽閉されました。アレクサンドル・デュマ(大デュマ)の小説『モンテ・クリスト伯』の主人公ダンテスが、無実の罪に問われて閉じ込められた場所としても知られています。日の当たらない牢獄で、奪われた恋人を思い復讐を誓う物語は、日本でもテレビドラマとしてリメイクされました。

マルセイユで巡る美術館・博物館

コンクリート製の外壁があまりにも斬新な「ヨーロッパ地中海文明博物館」

●ヨーロッパ地中海文明博物館(MuCEM) Musée des civilisations de l'Europe et de la Méditerranée
地中海世界の歴史と文化、他民族との交流に焦点を当てた博物館。ユニークなコンセプトもさることながら、地中海に面したロケーションと美しいデザインで訪れる人々を魅了しています。設計したのはアルジェリア生まれの建築家リュディ・リチオッティ。細かな網目模様になった外壁は、コンクリートであることを忘れさせるほど繊細で、その網目を通して降り注ぐ光が、さらに幻想的な世界を創り出しています。屋上テラスと隣接するサン・ジャン要塞を結ぶ「空中通路」を歩けば、地中海の眺望を楽しむこともできます。

「プロヴァンスの視点美術館」の最上階には地中海を見渡せるレストランも

●プロヴァンスの視点美術館 Musée Regards de Provence
20世紀半ばに建てられたマルセイユ港保健センターの建物が改築されて美術館に生まれ変わり、プロヴァンスとマルセイユをテーマにした企画展を開催しています。最上階には、地中海を見晴らせるレストラン「ルガール・カフェ」があります。映画『おとなの恋の測り方』のロケ地としても使われた場所で、ランチをとるのにおすすめです。

マルセイユのグルメ情報

マルセイユの名物料理「ブイヤベース」(イメージ)©iStock

●ブイヤベース Bouillabaisse
マルセイユの名物料理といえば、世界的にも知られる魚料理「ブイヤベース」。もとは、マルセイユの漁師たちが毎日水揚げされる小魚類の売れ残りを“ごった煮”にしたものでしたが、その後レシピが整えられ、現在のマルセイユではどちらかというと観光客向けの高級料理となっています。

ふた皿に分けて供されるのもブイヤベースの特徴のひとつです。まず前菜として魚のだしで作ったスープが出ます。このスープにルイユ(Rouille)というトウガラシ入りアイオリ(ニンニク入りプロヴァンス風マヨネーズ)、おろしニンニク、おろしたグリュイエールチーズをのせたパンを浮かべていただきます。スープを飲み終わったら、主菜となる魚介が入った皿が登場します。

魚介をたくさん使い手間もかかるので、お値段はア・ラ・カルトで一品€50以上。少しお高いですが、マルセイユの思い出作りに体験してみてはいかがでしょう。

■ブイヤベースがおいしいレストラン/シェ・フォンフォン Chez Fonfon
・住所: 140, rue du Vallon des Auffes
・UEL: https://www.chez-fonfon.com/

マルセイユおすすめのお土産

「ラ・リコルヌ」のマルセイユ石鹸(300gのもので€4前後)

●マルセイユ石鹸 Savon de Marseille
マルセイユのお土産の定番といえば、100%植物由来の天然素材で作られる「マルセイユ石鹸」。ナチュラルで肌に優しく、さまざまな用途に使える万能石鹸です。

オリーブオイルの一大産地であるプロヴァンスでは、中世の頃から石鹸作りが盛んであったと伝えられていますが、マルセイユ石鹸がその質の良さでヨーロッパ中に知られるようになったのは17世紀のこと。ところが、その人気が高まるにつれて、動物性油脂を使った粗悪品も出まわるようになりました。このため、ときの国王ルイ14世(ヴェルサイユ宮殿を造った太陽王)は、「オリーブオイル以外の油の使用を禁じる」王令を発布。こうして粗悪品は淘汰され、マルセイユ石鹸は高級石鹸としての地位を確立したのです。

第2次世界大戦後、大量生産時代の到来とともに、昔ながらの製法を守るメーカーは激減しましたが、近年、環境問題への関心の高まりから、再び注目を浴びています。「ラ・リコルヌ」など、ガイドツアーで石鹸作りの工程を見学できるところもあります。

■マルセイユ石鹸の老舗ブランド/ラ・リコルヌ La Licorne
・住所: 34, cours Julien
・URL: https://www.savon-de-marseille-licorne.com/

マルセイユの名物菓子「ナヴェット」

●ナヴェット Navette
マルセイユの名物菓子といえば、オレンジの花の香りがする焼き菓子「ナヴェット」。サン・ヴィクトール修道院の近くにある「フール・ド・ナヴェット」という1781年創業のパン屋で、200年以上変わらぬ製法で作られています。もとは「ろうそく祝別の日(2月2日。クリスマスシーズンが終わり、飾り付けを外す日)」に買う季節菓子でしたが、今では1年を通して買うことができます。その形は、南仏に流れ着いた3人のマリアたちを乗せた小舟をかたどったものといわれ、日持ちがよいので(常温で1年保存可能)、おみやげにもぴったりです。ただ、ものすごく固いので、噛むときは歯を傷めないよう気をつけてください。

■ナヴェット販売店/フール・デ・ナヴェット Four des Navettes
・住所: 136, rue Sainte

建築好きにもおすすめのショッピングセンター「レ・ドック・ヴィラージュ」

●ショッピングセンターでお買い物
おみやげ探しに便利なのが、再開発が進むウオーターフロントに続々と登場しているショッピングセンターです。かつての港湾倉庫を利用したものが多く、吹き抜けを大胆に利用するなど斬新な設計で、建築が好きな人にもおすすめです。「フール・デ・ナヴェット」の支店も入っています。

■おすすめショッピングセンター/レ・ドック・ヴィラージュ Les Docks Village
・住所: 10, pl. de la Joliette
・URL: http://www.lesdocks-marseille.com

マルセイユを楽しむモデルコース

旧港からノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂へは観光列車「プチトラン」で

マルセイユの港町らしい雰囲気、名所見学、地中海の眺望、おみやげショッピング、下町散歩、現代建築鑑賞を組み合わせた欲張りプランはこちら。

●旧港~ノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂~サン・ヴィクトール修道院~ファロ宮殿~パニエ地区~MuSEM
朝、旧港の魚市をのぞいて港町の雰囲気に浸ったら、丘の上にあるノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂へ。聖堂の建築と地中海の眺望を堪能したあとは、丘を下り、サン・ヴィクトール修道院(Abbaye St-Victor)経由で港まで戻りましょう。修道院近くにあるパン屋「フール・デ・ナヴェット」で名物菓子ナヴェットを買うのをお忘れなく。

さらに足を延ばしてファロ宮(Palais deu Pharo)まで行けば、マルセイユの市街と旧港のすばらしい眺めを楽しめます。石鹸店などが並ぶ旧港をぐるっと回ったら、港の北側にあるパニエ地区(Le Panier)も歩いてみましょう。かつて漁師たちの居住区だった地区で、細い路地や階段が迷路のように走り、北アフリカの港町に迷い込んだような気になります。近年は再整備が進んでショップやレストランも増えつつあり、思いがけない出合いがあるかもしれません。

最後は、パニエ地区西側の港湾沿いに広がる再開発地区へ。MuSEM(ヨーロッパ地中海博物館)のかっこいい建築など、「マルセイユの今」を体感することができるでしょう。

「ファロ宮」からの旧港と市街の眺め
マルセイユの下町の気分を味わえる「パニエ地区」

「シティ・パス・マルセイユ」を使ってお得に観光

お得なパス「シティ・パス・マルセイユ(City Pass Marseille)」

マルセイユのメトロやトラムなどの市内交通が無料、美術館や見どころの入場料、ツアー参加費などが無料または割引になるお得な観光パスポートが「シティ・パス・マルセイユ(City Pass Marseille)」。料金は24時間€27、48時間€37、72時間€43(7~15歳は24時間€17、48時間€22、72時間€26)。マルセイユの観光案内所で購入可能です。

まとめ

古い町並みと現代建築の融合もマルセイユの魅力のひとつ ©iStock

南仏旅行の玄関都市のひとつであるマルセイユは、旅の拠点となるだけでなく、町そのものにもたくさんの見どころがあります。旅情たっぷりの港を歩いたり、地中海を遊覧したり、建築散歩を楽しんだり、あるいはショッピング三昧と、自分の興味に合わせて、旅のプランを立ててみましょう。時間があれば、手つかずの自然が残る美しい入り江カランクや、のどかな漁港の町カシ、セザンヌゆかりの町エクス・アン・プロヴァンスなど、近郊の見どころを組み合わせるのもおすすめです。

TEXT:オフィス・ギア
PHOTO:オフィス・ギア、iStock

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地球の歩き方 ガイドブック A08 南仏プロヴァンス コート・ダジュール&モナコ 2018年〜2019年版

地球の歩き方 ガイドブック A08 南仏プロヴァンス コート・ダジュール&モナコ 2018年〜2019年版

地球の歩き方編集室
定価:本体1,600円+税
発行年月: 2018年03月
判型/造本:A5変並製
頁数:304
ISBN:978-4-478-82163-3

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