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岐阜・神岡鉄道の廃線跡を走る!?「レールマウンテンバイク ガッタンゴー」漆山 渓谷コース徹底ガイド

2018年04月14日

 神岡鉄道・神岡線をご存知でしょうか。富山県富山市の猪谷駅(JR高山本線との接続駅)から岐阜県飛騨市の奥飛騨温泉口駅までの19.9km、8駅を擁するローカル鉄道でした。神岡鉱山から掘り出された亜鉛鉱石を運ぶことをおもな目的に、国鉄神岡線として1966年に開業。1984年に国鉄から第三セクター鉄道になりましたが、収入の7割以上を占めていた貨物列車の運行が終了したことで2006年12月1日に廃線となりました。この神岡線の廃線跡の一部区間を自分で自転車をこぎながら鉄路の上を運転手気分で走ることができるアトラクションとして、「レールマウンテンバイク ガッタンゴー」が2007年に「開業」し、多くの観光客が訪れています。その人気アトラクションの「ガッタンゴー」に2018年4月21日、「新路線」が開業するとのことで、その試乗会に2018年3月26日に参加してきました。新路線の魅力を徹底解説していきます。

新路線「漆山 渓谷コース」2018年4月21日、開業!

神岡鉄道を走っていた列車(画像:飛騨市)

 「ガッタンゴー」の「漆山 渓谷コース(渓谷コース)」の開業前から「まちなかコース」という別のアトラクション(路線)があり、人気となっています。

 「まちなかコース」は、2007年に開業したコース(路線)です。旧神岡鉄道の奥飛騨温泉口駅を出発し、3駅(2.9km)先の神岡鉱山前駅まで行き、そのまま戻ってくるコースで、往復5.8km・約40分〜50分の行程となっています。

 実際に列車が走っていた鉄路で、特殊な自転車(列車)で走るため、開業以来「ガッタンゴットン」というレールの継ぎ目の振動と音を感じながら列車の運転手気分に浸れると人気を博してきました。直近の3年間では、年間4万人の乗客(運転手)が利用する路線となるまでに成長していましたが、「絶景区間を走りたい!」「もっとスリルのあるコースを体験したい!」という強い声が寄せられていました。そこで、今回の新路線ともいうべき「渓谷コース」が開業することになったのです。

渓谷コースの特徴は!?

絶景が続くコース(画像:飛騨市/レールマウンテンバイク事務局)

 「渓谷コース」は、「まちなかコース」より路線距離が長くなりました。旧漆山駅(漆山駅)を出発し、2つの高架橋と高原川を高所で渡る鉄橋が1箇所、さらに2つのトンネルをくぐり、第3漆山トンネル手前の折り返し地点駅(二ツ屋駅、片道3.3km)まで行き、漆山駅に戻ってくるコースで、往復6.6km・約40分〜55分の行程となります。

 高所恐怖症や暗いところが苦手という方には向かない、さらに未就学児のお子様はNGという従来の「まちなかコース」に比べると「おとなのため」のコースとなっているとのことです。

 では、渓谷コースをスタートから終わりまで徹底解説していきましょう。

旧漆山駅に集合!運転の講習から

旧漆山駅は、秘境駅の佇まい
係員による「運転講習」からスタート

 「渓谷コース」は、漆山駅での集合となります。国道41号線を外れて、赤い橋を渡った山の中にひっそりと佇む小さな駅がスタート地点となります。周囲に人家が見られない「秘境駅」の雰囲気です。なぜ、このようなところに鉄道駅があったのかが不思議なような寂しいところに集合場所があります。

 受付を済ませると係員による運転講習が始まります。講習といっても10分程度で、
・線路上で停まったり、下車したりしないこと
・前の「列車」とは、20mぐらい間隔を空けること
・落し物をしても戻ってこないから気をつけること
などの注意事項などが伝達されます。

 講習を終え、安全のためのヘルメットをかぶり、ベルトを着用して、いよいよ運転が始まります。

「臨時列車」二ツ屋駅行き、出発進行!

先頭と最後部には、係員用の「バイク列車」が

 漆山駅11:00発、臨時列車「二ツ屋駅」行き、出発です。

 「先頭車」は、自転車ではなくバイクで動く係員専用車両となっています。最後尾も同様で、先頭と最後尾を係員に挟まれるかたちで、2~3人乗りの車両が20m以上の間隔をあけながら進むスタイルとなります。筆者は、「2号車」に「乗務」しました。

列車営業当時の雰囲気が残る漆山駅
遠くに雪をかぶった山々を見ながら

 漆山駅に残るプラットフォームを左手に見ながら、最高20km/hというスピードで走っていきます。「渓谷コース」の往路は、緩やかな登りが続いていますが、筆者自身ともう一人の乗務員による「人力モーター」と電動アシストでスイスイ走ることができます。重さ120kgほどもあるという車両ですが、女性同士でも安心して乗務することができます。

 通常の列車より、かなり低い位置での前面展望で、山と渓谷の風と鉄路からの振動を感じながらの乗務は、何とも楽しいもの。鉄道ファンは、走行中にヨダレが出てしまうかもしれません。

第1高原川橋梁は、絶景のカーブ!

緩やかに左カーブを描く絶景地点

 11:20頃、第1高原川橋梁に列車は差し掛かります。ゆるやかに左カーブを描くコンクリート製の橋で、清冽な高原川の流れと雪をかぶった山々を遠くに見ながらの絶景区間となります。

 廃線から10年以上も経過したものとは思えないほど、構造物が美しく保たれていて、今でも本物の列車が走れそうな雰囲気です。このアトラクションの運営にあたって、草刈りだけではなく、各構造物のメンテナンスなどにも並々ならぬ熱意を持って取り組んでこられた地元の方々の思いを感じることができました。鉄道ファンならば、乗務中に胸が熱くなってしまうことでしょう。

画像左側の柵は、今回の開業で新設されたもの

 緩やかな登り続きの線路と暖かな気候で少し汗ばんでいたのですが、川を渡る風が清々しく・・・。川の流れ、鳥の鳴き声、鉄路の音・・・、何とも贅沢なひとときです。

トンネル、鉄橋、トンネル・・・、神岡鉄道らしい区間に!

第1漆山トンネル内の様子

 第1高原川橋梁を過ぎると、第1漆山トンネルに差し掛かります(11:27)。神岡鉄道は、全線の約60%がトンネルや橋で構成されていた路線で、「飛騨の地下鉄」と言わていたといいます。

 トンネル内に入ると、かなりひんやりとします。真っ暗なトンネル内は、列車の走行音だけが響き続けます。自転車を使った特殊な車両とはいえ、本格的な列車の走行音に鉄道ファンなら惚れ惚れしてしまうことでしょう。

 途中、トンネルの天井から冷たい滴(しずく)が落ちてくることもありますが、気にすることなく進みましょう。なお、トンネル内に入ると車両前方のライトが自動点灯するなどの装備も行き届いた車両になっています。

 トンネル出口の明かりが見えてくると、第2高原川鉄橋(11:29)です。

復路での第2高原川鉄橋の様子
床面のブルーシートの隙間から川面が・・・

 第2高原川鉄橋は、高原川の水面からの高さが約20mという赤い鉄橋です。この鉄橋で、絶景区間のハイライトを迎えます。鉄橋を超えるとすぐに、第2漆山トンネルに入ります。

終点の二ツ屋駅の直前には、急坂が!

 第2漆山トンネルを抜けると、再び第3高原川橋梁(11:32)で高原川を渡り、折り返し地点となる二ツ屋駅に到着(11:33)です。片道約30分の旅でした。

折り返し作業は、係員が

 復路に向けて、二ツ屋駅で折り返し作業を係員が行ってくれます。転車台などの折り返し設備がないので、列車自体を180度回転させるようになっているのです。往路で一番後ろだった車両が先頭車両になり、復路の行程がスタートとなります。

二ツ屋駅のすぐ先には、第3漆山トンネル
二ツ屋駅から先の「まちなかコース」とは分断・・・

 復路は、全体的に緩やかに下っていくかたちで、スイスイと加速していきますので、往路より楽チンです。何とも楽しい充実のひとときを過ごすことができました。「また、来たい」「まちなかコースにも乗らなくては」と、神岡への再訪を誓わずにはいられない体験乗務となりました。

「レールマウンテンバイク ガッタンゴー」利用方法は!?

絶景列車を自分で運転

 「レールマウンテンバイク ガッタンゴー」は、4月上旬から2018年度の営業が始まります。

 今回試乗した「渓谷コース」は、2018年4月21日~2018年11月25日まで(「まちなかコース」は、2018年4月7日 ~2018年11月25日まで)の営業となります。悪天候でない限り多少の雨でも催行(運行)されますので、自身の運転日が天気に恵まれるように祈りましょう。

 また、大型連休などは予約が埋まり始めているそうですが、係員の方によると5月下旬からの新緑と10月下旬からの紅葉の季節がおススメなのだとか。利用方法、料金、アクセス方法などの詳細は「ガッタンゴー」のホームページにアクセスしてみてください。なお、乗務は事前予約の方が優先となります(電話かオンラインで予約可能。当日、空きがあれば、事前予約なしでも利用可能)。

 鉄道好きでなくても楽しめる「ガッタンゴー」への乗務に、飛騨市神岡へ出かけてみませんか。

■レールマウンテンバイク ガッタンゴー
・URL: https://rail-mtb.com/

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