ザトウクジラの迫力を間近で体験!ホエールウォッチング旅のススメin座間味島(沖縄県)

公開日 : 2019年04月13日
最終更新 :
座間味島へホエールウォッチングに行こう!
座間味島へホエールウォッチングに行こう!

地球の歩き方公式サイトで毎年おこなっている、「この夏or来年ドコ行く?」調査でも国内編で常に上位をキープする沖縄離島。石垣島、宮古島といった直行便も就航している有名な島から、竹富島や座間味島など新たな魅力が注目されている離島まで、有人離島の数は40を超えるといわれています。中でも、夏季にはケラマブルーで有名なダイビングスポット、冬場はホエールウォッチングと年間を通して楽しめる、那覇からフェリーで1時間弱の「座間味島」(ざまみじま)にフォーカスした体験レポートをお届けします。映画『マリリンに逢いたい』(1988年)の舞台にもなった島の魅力に迫ります。

「座間味島」(ざまみじま)ってどんなトコ?

「座間味島」(ざまみじま)ってどんなトコ?
出典:『国土交通省「国土画像情報(カラー空中写真)」
マップで見る粟国島
マップで見る粟国島

沖縄県の那覇市から西方約40kmの慶良間(けらま)諸島の中央に位置する、面積6.7㎢、海岸線長約23.2kmの「座間味島」。ウミガメとの遭遇率も高い世界的に貴重なサンゴ礁域の阿真ビーチ、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで2つ星を受けた美しいフルザマミビーチなど、国内のみならず、外国人旅行客にも人気のスポット。また、座間味島周辺の海には毎年冬季から春季にかけてザトウクジラの群れが集まることでも知られています。本記事では、ホエールウォッチングのすすめとして、ザトウクジラの魅力にも触れていきながら、座間味島の魅力を紹介します。

泊ふ頭旅客ターミナル「とまりん」から座間味島へ

泊ふ頭旅客ターミナル「とまりん」から座間味島へ
旅客ターミナル「とまりん」

座間味島へは、専用のフェリーに乗船します。那覇市内の主要なスポットを結ぶ沖縄都市モノレール「ゆいレール」の美栄橋駅から徒歩約10分の大通り沿いにある旅客ターミナル「とまりん」より毎日出港している『フェリーざまみ』に乗船します。価格は往復4,030円(大人1名)、青く澄んだ沖縄の海の風を感じ、水平線を眺めながら、2時間弱で到着します。

座間味村公式サイト:交通アクセス

■泊ふ頭旅客ターミナルビル「とまりん」
住所:沖縄県那覇市 前島3-25-1
電話:098-861-3341
URL:https://www.tomarin.com/

フェリーざまみは、1階の座敷席と2階のリクライニング付き椅子席のほか、甲板のベンチ席など定員490人が乗船可能な中型船です。航路上のほんどの海上で4G圏内のため、スマホで写真を撮ってSNSにアップしている観光客の姿が散見されます。また、1Fの座敷の席には充電ができるコンセントや、毛布、マクラも用意されています。

慶良間諸島国立公園とラムサール条約について

慶良間諸島国立公園とラムサール条約について
カラフルなシーサーがお出迎え

座間味島が属する慶良間諸島。なかでも高密度に生息するサンゴ礁の海に囲まれた座間味村は、2014年3月5日の”サンゴの日”、隣村の渡嘉敷村とともに「慶良間諸島国立公園」に指定されました。また、少し遡ること2005年11月には、環境保護の国際条約”ラムサール条約”にも登録されています。

クジラにやさしいホエールウォッチング

クジラにやさしいホエールウォッチング
ザトウクジラの豪快なパフォーマンスを自分の目で!

普段、北半球を回遊しているザトウクジラですが、冬になると繁殖活動のために暖かい海域の座間味に帰ってきます。そのため、座間味村では、生まれたばかりの赤ちゃんクジラとの親子ペア、メスに求愛するオスクジラたちの激しい争い、ラブソングを唄うクジラに出会えるチャンスもあります。豪快に跳んだり、胸ビレや尾ビレを海面に叩きつける、ザトウクジラたちのパフォーマンスを生で見ることができます。

ホエールウォッチング講座
ホエールウォッチング講座

座間味村では、ホエールウォッチングのためのクジラ撮影テクニックやザトウクジラの生態などを事前に学ぶことができます。今回お世話になったのは、ダイブハウスヤドカリのオーナー宮里清司さん。沖縄生まれの生粋の”しまんちゅ”でもある宮里さんは、ダイビングガイドとして座間味島に来て以来、2010年にはホエールウォッチング協会の理事に就任。その手腕は一流です。スマホやコンデジ、本格的にデジタル一眼レフカメラをお持ちの方でも、どんな撮り方がベストか丁寧な指導をおこなっています。(有料)

■ダイブハウスヤドカリ(民宿やどかり)
URL:https://www.ama-yadokari.com/
住所:沖縄県島尻郡座間味村阿真142
電話:098-987-2231

ホエールウォッチング協会のスゴイこと

ホエールウォッチング協会のスゴイこと
展望台でスタッフがクジラの出現ポイントを観測

せっかく座間味島にホエールウォッチングに来たのに、クジラがあらわれなかった…自然と生物が相手なので仕方ないことはありますが、そんなことにならないように心強い味方が「ホエールウォッチング協会」。座間味村のホエールウォッチングは、島の展望台でクジラを探す協会スタッフがクジラを確認後に船長に連絡し、船が出発するとクジラのいるポイントまで誘導します。たくさんの船が集中したり、船とクジラの距離が近づきすぎないように管理してクジラへの負担も減らす、人にもクジラにもやさしいホエールウォッチングを楽しむことができます。

■一般社団法人 座間味村ホエールウォッチング協会
URL:http://zwwa.okinawa/
住所:沖縄県島尻郡座間味村座間味地先1
電話:098-896-4141
営業時間:例年12月下旬から4月上旬(クジラが見られる期間)

知ってる?クジラのアクション集

知ってる?クジラのアクション集
実際に撮影できたPec Slap(ぺックスラップ)

ザトウクジラは体長約13~15m、体重25~30トン、全長の3分の1の長さに達するクジラのなかでも最も長い胸ビレと、頭の上にあるコブが特徴で、大きな尾ビレの裏側の模様で個体識別することができます。これにより、毎年たくさんのクジラたちが座間味に帰ってきていることがわかります。また、常連クジラの中にはニックネームがついている場合もあります。

Breach(ブリーチング)
Breach(ブリーチング)
条件が揃えばブローに虹が出る「レインボーブロー」が見られる
条件が揃えばブローに虹が出る「レインボーブロー」が見られる

クジラが海上で行うアクションには、まるで体操の技のように、それぞれネーミングがあります。息継ぎのために水面に現れた時の、いわゆる”クジラの潮吹き”は「Blow(ブロー)」、カラダを横向きにして、胸ビレを水面に叩きつける動作の「Pec Slap(ぺックスラップ)」、深く潜る際のサイン、また、クジラといえば、このポーズ!とも言える尾ビレを持ち上げる動作の「Tail Slap(テールスラップ)」など、さまざま!どんなポーズを目撃することができるのか、わくわくしながら臨んでください!

ウォッチングに最適なシーズン

ウォッチングに最適なシーズン

ザトウクジラを座間味島で見るにあたり、最適なシーズンは、毎年12月~4月頃まで。ザトウクジラはその期間、座間味村の周辺海域に帰ってきています。過去8年間での初目撃は、11月26日~1月10日の間、最終目撃は4月8日~5月14日の間です。例年1月中旬から3月中旬が最も確認頭数が多く、1シーズンで慶良間の海で確認されている数は平均で300頭弱となります。
※2017年までの個体識別ID数は1,604頭

座間味港からボートで出発!
座間味港からボートで出発!
経験豊富なスタッフによるアドバイス
経験豊富なスタッフによるアドバイス

座間味村でのホエールウォッチング遭遇率が高い理由の一つは、展望台から観測する協会スタッフとの連携ですが、もう一つ重要なことは経験豊富な船長と船員の適格なアドバイスとコントロールです。クジラにストレスを与えないよう、近づくとエンジンを切り、自然と船が波に揺られて流れた先にクジラが浮上してくるように綿密な調整をする、経験がモノを言う匠のテクニックがそこにはありました。

感動の瞬間を体験しに座間味島へ!
感動の瞬間を体験しに座間味島へ!

空のようにどこまでも青く美しいケラマブルーの海。ヒトが想像できないような深海や海流を漂う、ザトウクジラたちに逢いにいきませんか?

座間味島のもう一つの物語『マリリンに逢いたい』

座間味島のもう一つの物語『マリリンに逢いたい』
座間味島の道路沿いにあるマリリン像。向いている先には…

お隣の阿嘉島で飼われていた雄犬シロと、雌犬マリリンの一途な犬の恋物語を映画化した『マリリンに逢いたい』(1988年)。マリリンに逢うために海を泳いで渡った実話を基に制作された本作、マリリンが飼われていたのが実は座間味島です。いつまでも風化しないようにと制作された銅像のマリリンが鎮座しています。座間味島には、ユヒナ浜という大岩の上で愛を誓った二人は必ず結ばれるといういわれのあるパワースポットがありますが、マリリンたちにも似たパワーがあるのか、銅像の周囲にはお供え物が。

マリリンの向いている先に見えるのは…?続きは、沖縄離島レポート阿嘉島編で、お逢いしましょう。

国土交通省「国土画像情報(カラー空中写真)」(配布元:国土地理院地図・空中写真閲覧サービス) [Attribution], via Wikimedia Commons
Own work [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons

筆者

地球の歩き方ウェブ運営チーム

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』のメディアサイト『地球の歩き方web』を運営しているチームです。世界約50の国と地域、160人以上の国内外の都市のスペシャリスト・特派員が発信する旅の最新情報をお届けします。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。