最大勾配110% 世界一急勾配なケーブルカー「シュトースバーン」に乗ってみよう(スイス・シュヴィーツ州)

公開日 : 2019年09月23日
最終更新 :
最新技術を駆使して作られたシュトースバーン
最新技術を駆使して作られたシュトースバーン

世界一の急勾配を誇るケーブルカー「シュトースバーン」を紹介します。ドラム缶のようなユニークな見た目のシュトースバーンは、2017年12月に「世界一急勾配のケーブルカー」として中央スイス・シュヴィーツ州に登場しました。ほぼ直角に上昇していく車体は、見ているだけでもドキドキ感が止まらないです。最新技術を駆使した、今までにない車体のフォルムも見どころのひとつです。「世界一急勾配」のケーブルカーに乗車して、シュトースの山村まで行ってみましょう。

110%の最大勾配でも乗客は常に水平!?

110%の最大勾配でも乗客は常に水平!?
下から見上げると迫力満点のケーブルカー

中央スイス・シュヴィーツ州(Schwyz)にあるシュトースバーンは、2017年に開通した新種のケーブルカー。14年もの歳月をかけて完成した、世界でもっとも急勾配の斜面を運行するケーブルカーです。チューリッヒ(Zürich)からも気軽に行け、一種のアトラクションとしても人気です。
 
米『ニューヨーク・タイムズ』紙にも、「世界で訪れるべき場所2018」で第5位に挙げられており、世界からも注目されている観光名所です。

シュトースバーンは、乗り場から山頂(標高1,306メートル)までの高低差744メートルを行き来します。4両編成のユニークな丸い車体が、麓から約4分間で乗客を頂上まで運びます。途中、トンネルを抜けるなどの行程で、あっという間に山村に到着します。

急な斜面を上昇していくシュトースバーンですが、実際に乗車してみると傾斜を感じることはありません。車内は、自動で水平が保たれますので、安定感があります。また、走行もとてもスムーズで快適な乗り心地です。

シュトースバーンの乗車券を購入しよう

シュトースバーンの乗車券を購入しよう
乗車券の購入時にもらったキャンディー

シュトースバーンの乗車料金は、往復22フラン(大人)です。スイス国鉄(SBB)の鉄道を利用して訪れる際には、シュトースバーンの乗車券が10%オフになるお得なコンビチケットがあります。スイス鉄道の公式サイトでチェックしてみてください。

トンネルを抜けると見えてくる山村

トンネルを抜けると見えてくる山村
夏・秋は自然がきれいで、ハイキングにぴったり

約4分の乗車時間は、あっという間に過ぎてしまいますが、最高の乗り心地で山頂に到着です。山頂の村、シュトースには、休暇用の宿泊施設がいくつもあります。夏季はハイキング、冬季はスキーホリデーを楽しむ観光客でにぎわいます。

おすすめのレストランは、山頂のケーブルカー乗り場から近い「シュターンエッグ(Sternegg)」。山頂で食べる、シュニッツェルとフライドポテト(Paniertes Schnitzel vom Schwein mit Pommes Frites, 26フラン)やソーセージ(Bratwurst mit Pommes Frites und kräftiger Sauce, 19フラン)は格別においしいです。

湿地帯に広がる1.6キロメートルのアドベンチャートレイル

湿地帯に広がる1.6キロメートルのアドベンチャートレイル
自然にふれあえアドベンチャートレイルを歩いてみよう

山頂の一部は、車での乗り入れが禁止されています。多くの自然が、手つかずで残っているのです。ケーブルカーで到着したら、自然豊かな山岳地帯を歩いてみましょう。1.6キロメートルのアドベンチャートレイルでは、自然を観察しながら、のんびりと湿地帯の上を歩くことができます。

「アトラクション」がたくさんで子連れ旅にもやさしい

「アトラクション」がたくさんで子連れ旅にもやさしい
点字で集めるスタンプラリー

シュトースの山村は、家族連れにも人気の場所です。湿地帯が広がるアドベンチャートレイルには、子供が喜ぶアトラクションが豊富にあります。

こちら(上の写真)の冊子もそのひとつです。点字スタンプを色のついた丸の部分に集めていくスタンプラリーになっています。点字スタンプを探しながらトレイルを歩いていけば、楽しさも倍増です。

自然豊かな山村でホリデー気分を満喫

自然豊かな山村でホリデー気分を満喫
シュトースに広がる湿地帯

トレイルの各所には、生物の説明書きがあり、自然を学び、観察しながら進んでいくことができます。

また、BBQスペースもありますので、持参したソーセージやパンを焼いて食べてもよいでしょう。青空が広がる山頂で食べるグリルソーセージは、格別の味がします。

小さな湖でハイキング後の疲れを癒す

小さな湖でハイキング後の疲れを癒す
湖で足の疲れを癒すのもスイス流

最後は、湖でひと休み。歩き疲れた足には、リトルシュトース湖(Little Stoos Lake)のベンチがおすすめです。ヒンヤリとした湖水に足をつければ、歩き疲れた足もリフレッシュできます。
 

いかがでしたか。世界でもっとも急勾配のケーブルカーに乗車して、シュトースに足を運んでみてはいかがでしょうか。

筆者

スイス特派員

田山 貴子

欧州移住を目指して日本から求職し、2000年よりベルン在住。スイスの会社に10年間勤めた後、日本とスイスの架け橋になるべく起業。

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