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バロックの巨匠ベルニーニの傑作、ナヴォーナ広場の四大河の噴水へ行こう(イタリア・ローマ)

2019年12月01日

イタリア・ローマのナヴォーナ広場は、古代ローマ時代の競技場跡に造られた歴史ある広場です。広場の中心にはランドマークとなっている四大河の噴水があり、ローマっ子の待ち合わせ場所として親しまれています。バロックの巨匠・ベルニーニの傑作ともいわれるナヴォーナ広場の四大河の噴水を紹介します。

四大河の噴水のあるナヴォーナ広場のとは?

ローマ博物館(ブラスキ宮)から見たナヴォーナ広場

ナヴォーナ広場(Piazza Navona)は、地下鉄A線スパーニャ(Spagna)駅から徒歩約20分のところにあります。3万人を収容したといわれる古代のドミティアヌス帝が建設した競技場の跡を利用して造られました。そのため、円形や四角形の一般的な広場のイメージから離れ、南北に細長い形をしています。

17世紀、ローマ教皇イノケンティウス10世が祝祭用の会場に利用するために改修を始めたところからこの広場の大々的な変遷が始まります。広場には3ヵ所の噴水がありますが、広場の中央にあるのがローマで最も有名な噴水のひとつ、巨匠・ベルニーニ作の四大河の噴水です。

ダイナミックな4人の寓意像が迫力満点で、16世紀にローマの町で大活躍をした巨匠の最高傑作といってもよいでしょう。その噴水のすぐ横には、ボロミーニの設計によるサンタニェーゼ・イン・アゴネ教会が建ちます。教会の誕生は、この場所で3世紀にキリスト教を信仰していた聖アニェーゼが当局の怒りを買い、殉教したことに由来します。

世界の四大河を模した寓意像

ダイナミックな動きの彫像 ©iStock

ローマっ子の憩いの場、ナヴォーナ広場。細長い広場にアクセントを与えているのは、四大河の噴水でオベリスクを囲む彫像のダイナミックな動きが見る者を惹きつけます。

ベルニーニが1651年に完成させた噴水は、旧アッピア街道沿いのマクセンティウスの競技場から運ばれたドミティアヌス帝時代のオベリスクが広場の中央に建てられ、その周囲には世界の四大河のガンジス川、ラプラタ川、ナイル川、ドナウ川の寓意像である4人の男性が置かれています(世界におけるキリスト教の勝利の表現)。

これらの彫像は、それぞれの地域を象徴するような花やヤシの木、馬、ワニ、ライオン、海ヘビ、イルカなどで飾られています。

ガンジス川の寓意像

アジア大陸を代表する、逞しい身体が眩しいガンジス川の寓意像。後ろに見えるのが前述のサンタニェーゼ・イン・アゴネ教会です。

ラプラタ川の寓意像

アメリカ大陸を代表するラプラタ川の寓意像。手にとまるハトが小さく見え、いかに彫像が大きいものかわかります。

ナイル川の寓意像

顔を隠しているアフリカ大陸代表のナイル川の寓意像。彫像の作成当時、ナイル川の水源が明確ではなかったため、顔を隠しているといわれています。

ベルニーニとボロミーニにまつわる逸話

夕暮れ時のナヴォーナ広場 ©iStock

同時代を生きていたベルニーニとボロミーニのふたりの建築家は、ライバル関係にありました。ベルニーニがライバルを出し抜いてこの噴水の仕事を受注することに成功したのは、教皇イノケンティウス10世の義姉、オリンピア・マイダルキーニに噴水のデザインを模った高価な銀製のモデルを贈呈したからといわれています。

噴水の前のサンタニェーゼ・イン・アゴネ教会の改修にはボロミーニが携わりましたが、ベルニーニの寓意像のラプラタ川は、この教会が今にもずさんな建築で倒れかかって来るのを危惧するようなポーズをしていると一時期いわれていました。

しかし、本当のところは噴水の方が先に完成しているため、このエピソードは真実ではありません。噴水は1651年の完成で、教会の改修にボロミーニが着手したのは1653~1657年、完成は1672年でした。

バロック美術の巨匠、ベルニーニとは?

ダイナミックで曲線的なバロック美術 ©iStock

ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(Gian Lorenzo Bernini)は、1598年にイタリアで生まれました。最後の万能の人ともいわれるバロック美術の巨匠で、ローマで50年以上の長きに渡り建築やモニュメント、彫刻作品などさまざまな分野で多くの傑作を残しました。ローマでは、その名作の多くが無料で鑑賞できます(教会内や広場、噴水など)。

バロック美術とは17世紀に開花した美術様式で、ダイナミックな動きや強烈なコントラスト、装飾過多などを特徴としています。例えば、建築物は曲線的でうねっています。好きか嫌いかの見解は分かれますが、この様式は視覚的に劇的な効果が狙える表現方法といえるでしょう。像に彫られた人の表情や動きなどがかなり大袈裟なので、見る人の感情に訴えかけます。

この時代、ベルニーニなどの凄腕の芸術家たちがローマで大活躍したので、ローマはバロック美術の舞台(バロックの都)となりました。

広場の北側にあるネプチューンの噴水

ネプチューンの噴水(広場北側)

ネプチューンの噴水は、ナヴォーナ広場の北側にあります。ベルニーニの四大河の噴水が登場する前の時代、亀の噴水などの作品で有名な建築家のジャコモ・デッラ・ポルタが制作したものです。

とはいっても、あったのは水盤のみ。ふたりの彫刻家により彫像が飾られたのは19世紀以降です。昔はこの周辺に鋳掛けを行う職人が多く、仕事場をかまえていたことから「鋳掛屋の噴水」のあだ名もつけられています。

それぞれの彫像がユニークでかわいい

右側は、タコに巻きつかれて奮闘中の海の神様ネプチューン。左側の白目をむいて「ひひ~ん」と鳴いている馬の顔や仮面の彫像がかなり恐いですが、ネプチューンの周りで遊ぶキューピッドたちや仕留めた魚が太っていて大変かわいらしい、おすすめのフォトポイントです。

広場の南側にあるムーア人の噴水

ムーア人の噴水(広場南側)

ナヴォーナ広場の南側にあるムーア人の噴水は、ベルニーニの四大河の次に鑑賞したいおすすめポイントです。16世紀中頃にジャコモ・デッラ・ポルタが作成した水盤に、その約80年後にジョヴァンニ・アントニオ・マーリによってベルニーニのデザインによるムーア人の像が加えられました。

ムーア人とはエチオピア人のこと。この噴水では、オバケイルカと戦うシーンを表現しています。まわりに見えるのは、ふたつの貝殻を吹く海の神トリトンたちと仮面の彫像です。

ナヴォーナ広場のおすすめフォトスポット

絵描きが多く集まることでも知られるナヴォーナ広場

かつて、ナヴォーナ広場では広場に水を張り、模擬海戦などが行われました。そのような歴史をもつナヴォーナ広場全体の写真を撮ることができる場所を紹介しましょう。

ローマ博物館(ブラスキ宮)に入場して、広場に面した博物館の部屋の窓から撮影するのです。ちなみに、ローマ博物館は中世から近代にかけてのローマの生活史にフォーカスを当てた博物館です。

クリスマスの雰囲気のナヴォーナ広場

12月初旬頃からナヴォーナ広場にはメリーゴーラウンドや小さな屋台が出て、クリスマスの雰囲気が漂い、多くのローマっ子や観光客でにぎわいます。カトリック教会の国・イタリアでは、クリスマス前から1月6日の御公現の祝日(エピファニア)までが休暇となり、この期間はイタリア全土から多くの人々がローマを訪れます。

町中を彩るローマの噴水について

待ち合わせ場所としてにぎわうナヴォーナ広場 ©iStock

噴水の町とも呼ばれるローマ。夏は、これらの噴水の近くで夜遅くまで涼む人も多く見られます。ローマには、町角にある名もなき小さな噴水でも、美しい天使をはじめ植物や動物の形の彫刻が水を噴出していたり、芸術作品のような造りの噴水があったりします。

また、ローマの町中にはナゾーネ(Nasone)と呼ばれる筒形の水飲み場やフォンタネッラ (Fontanella)と呼ばれる飲用可能な小さな噴水も多数存在します。これらはしばしば大理石の彫刻で美しく飾られ、見応えのある芸術作品になっています。

町歩きの際は、小さな噴水や水飲み場にも注目です。

■ナヴォーナ広場(Piazza Navona)
・住所: Piazza Navona, 00186 Roma RM
・URL: http://www.turismoroma.it/piazza-navona

いかがでしたか。バロック美術の巨匠・ベルニーニの傑作、ナヴォーナ広場の四大河の噴水を紹介しました。今度のローマ旅行の参考にしてください。

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