南仏エクス・アン・プロヴァンス、セザンヌの故郷と美しい街並みを半日で体験

公開日 : 2022年03月31日
最終更新 :
市庁舎前にある四頭のイルカの噴水
市庁舎前にある四頭のイルカの噴水

プロヴァンス地方の法と政治と学問の中心地であるエクス・アン・プロヴァンス。紀元前ローマ時代からの歴史がある町であり、現在は17世紀の建物が美しい景観を構成しています。おすすめスポットを、エクス・アン・プロヴァンス観光局のセレクションでご紹介します。

旧貴族の邸宅が立ち並ぶマザラン地区

旧貴族の邸宅が立ち並ぶマザラン地区
通りから見たコーモン芸術センターの外観

とにかく南フランスは、どの町も魅力が溢れていて一度の旅行では全てを巡りきれません。本当はそれぞれの場所にじっくり滞在した方が良いですが、時間が取れないことも多いと思うので、エクス・アン・プロヴァンス観光局の担当者と共に、まず押さえておきたいスポットを現地で巡ってみました。

スタート地点はコーモン芸術センター。以前は音楽院として使われていたコーモン侯爵邸を改装し、アートスポットとして使われています。

コーモン侯爵邸として使われていた建物
コーモン侯爵邸として使われていた建物

毎回、地域に関連した魅力的な企画展が開催されているほか、施設内にはサロン・ド・テも併設されています。疲れた時の休憩場所としてもぴったりです。外には手入れされた美しい庭園も広がっています。

コーモン芸術センターの中庭
コーモン芸術センターの中庭

外観や内装も瀟洒で見応えがあります。またコーモン美術センターを見学すると、エクス・アン・プロヴァンスの貴族や富裕層が所有していたお屋敷の特徴をつぶさに把握できます。

邸宅内に展示されている当時の家具など
邸宅内に展示されている当時の家具など

■Caumont Centre d'Art(コーモン芸術センター)
住所: 3 Rue Joseph Cabassol 13100 Aix-en-Provence
URL: https://www.caumont-centredart.com/

ミラボー通りと町の至る所で見られる湧水

ミラボー通りと町の至る所で見られる湧水
ミラボー通りにある苔むした噴水

コーモン美術センターから北上すると、エクス・アン・プロヴァンスの中心部であるミラボー通りに出ます。通りには、湧水による噴水がいくつか設置されています。特に有名なのが、苔むした噴水。年月を経て、苔が重なり大きくなっています。

旧市街のアルベルタ広場と噴水
旧市街のアルベルタ広場と噴水

エクス・アン・プロヴァンスには、少なくとも100以上の湧水場所があると言われています。エクス・アン・プロヴァンスの「エクス」というのは、ローマ時代にこの地が「アクアエ・セクスティアエ(セクスティウスの水)」と名づけられたことに由来し、「エクス」は「アクアエ」が転訛したものです。

さて、現在ミラボー通りは大通りとして知られていますが、かつてここにはエクス・アン・プロヴァンスの内と外を分ける城壁がありました。城壁から南側が貴族などが暮らしていたマザラン地区という地域、北側が庶民が暮らしていた旧市街です。そのためミラボー通りを挟んで、建築様式も異なっています。

旧市街とサン・ソヴール大聖堂、そしてエクスのお菓子カリソン

旧市街とサン・ソヴール大聖堂、そしてエクスのお菓子カリソン
エクス・アン・プロヴァンス名物カリソン

それでは北側へ向かって歩きましょう。旧市街の建物は余裕あるつくりのマザラン地区と比べて、色々なものが密集しています。

町歩きの途中に立ち寄りたいのが、エクス・アン・プロヴァンス名物のお菓子「カリソン」のショップ。アーモンドとメロンのシロップを混ぜてペースト状にしたものを小さなひし形の型で抜き、砂糖でコーティングしてあります。

薄くかさばらないので土産物にも良い
薄くかさばらないので土産物にも良い

ここでエクス・アン・プロヴァンス観光局から大事なポイントが一つ。「もし大人数で食べないなら、できるだけ小分けされたカリソンを買うこと!」一度封を開けてしまうと風味が落ちてしまいます。

カリソンを頬張りながら歩くと、市庁舎に着きます。ここには大きな時計塔と四頭のイルカの噴水があります。

市庁舎と時計塔
市庁舎と時計塔

■Hôtel de Ville - Mairie d'Aix-en-Provence(エクス・アン・プロヴァンス市庁舎)
住所: Place de l'Hôtel de ville 13100 Aix-en-Provence
URL: https://www.aixenprovence.fr/

この時計塔をくぐり、さらに北へ歩いていくとサン・ソヴール大聖堂に到着です。5世紀から17世紀までの各建築様式が入り組んでいますが、最も古い部分は2世紀です。ロマネスクの回廊やメロヴィング朝の洗礼堂、ニコラ・フロマンにより15世紀に描かれた『燃ゆる茨』などがあります。

サン・ソヴール大聖堂
サン・ソヴール大聖堂

■Cathédrale Saint Sauveur Aix-en-Provence(サン・ソヴール大聖堂)
住所: 34 Place des Martyrs de la Resistance 13100 Aix-en-Provence
URL: https://paroisses-aixarles.fr/aix-saintsauveur/

ひとまず今回の町歩きはここで終点。エクス・アン・プロヴァンスは町並みがどこを切り取っても美しく、散策していて楽しい町です。この他にも市内には「セザンヌのアトリエ」「グラネ美術館」「タピストリー美術館」など見どころが点在していますので、時間があれば訪れてみてください。プロヴァンスらしい都市を感じてみたい旅行者には最適な町です。

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※当記事は、2022年3月30日現在のものです。

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2022年3月30日現在、国によってはいまだ観光目的の渡航が難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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