【ご招待】戦後日本のアニメーションの基礎を築いた高畑勲監督の初の回顧展「高畑勲展─日本のアニメーションに遺したもの」(東京国立近代美術館)

公開日 : 2019年07月17日
最終更新 :
「高畑勲展─日本のアニメーションに遺したもの」(東京国立近代美術館)
「高畑勲展─日本のアニメーションに遺したもの」(東京国立近代美術館)

2019年7月2日(火)から10月6日(日)、高畑監督が日本のアニメーションに遺したもの、その業績を総覧する初の回顧展が、東京国立近代美術館(竹橋)で開催。これまで未発表だった高畑監督の制作ノートや絵コンテなどの貴重な資料を通して、高畑演出術の秘密に迫ります。

開催趣旨

開催趣旨
高畑勲監督

常に今日的なテーマを模索し、それにふさわしい新しい表現方法を徹底して追求した革新者・高畑の創造の軌跡は、戦後の日本のアニメーションの礎を築くとともに、他 の 制作者 にも 大きな影響を与えました。本展覧会では、絵を描かない高畑の「演出」というポイントに注目し、多数の未公開資料も紹介しながら、その多面的な作品世界の秘密に迫ります。

開催概要と展覧会構成

開催概要と展覧会構成
開催概要と展覧会構成

■高畑勲展─日本のアニメーションに遺したもの
Takahata Isao: A Legend in Japanese Animation
会場:東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
会期:2019年7月2日(火)~10月6日(日)
休館日:月曜日(ただし 7 月 15 日、 8 月 12 日、 9 月 16 日、 9 月 23 日は開館)、 7 月 16 日(火)、8 月 13 日(火)、 9 月 17 日(火)、 9 月 24 日(火)
開館時間:10:00~17:00 (金、土曜日は 21:00 まで) ※入館は閉館 30 分前まで
主催:東京国立近代美術館、NHK、NHKプロモーション
企画協力:スタジオジブリ
協力:(公財)徳間記念アニメーション文化財団
協賛:凸版印刷 西武造園
観覧料:一般 1,500円、大学生 1,100円、高校生 600円
※団体割引あり、詳しくは公式サイトよりご確認ください。
URL:https://takahata-ten.jp/

「太陽の王子 ホルスの大冒険」 ヒルダ(色紙) © 東映

1章・出発点─アニメーション映画への情熱

高畑勲監督は1959 年に東映動画(現・東映アニメーション)に入社し、アニメーションの演出家を 目指します 。演出助手時代に手がけた「安寿と厨子王丸」(1961)に関しては、新発見の絵コンテをもとに若き日の高畑が創造したシーンを分析します。その新人離れした技術とセンスは、TV シリーズの「狼少年ケン」(1963~65) でもいかんなく発揮されました。

劇場用長編初演出( 監督) となった「太陽の王子 ホルスの大冒険」(1968)においては、同僚とともに試みた集団制作の方法と、複雑な作品世界を構築していくプロセスに光を当て、なぜこの作品が日本のアニメーション史において画期的であったかを明らかにします。

「アルプスの少女ハイジ」 セル付き背景画 ©ZUIYO 「アルプスの少女ハイジ」公式ホームページ http://www.heidi.ne.jp/

2章・日常生活のよろこび─アニメーションの新たな表現領域を開拓

東映動画を去った高畑は、「アルプスの少女ハイジ」(1974)に始まり、「母をたずねて三千里」(1976)、「赤毛のアン」(1979)と続く一連のTVの名作シリーズで新境地を切り拓きます。毎週一話を完成させなければならない時間的な制約にもかかわらず表現上の工夫を凝らし、衣食住や自然との関わりといった日常生活を丹念に描写することで、一年間52話で達成できる生き生きとした人間ドラマを創造したのです。

宮崎駿、小田部羊一、近藤喜文、井岡雅宏、椋尾篁らとのチームワークを絵コンテ、レイアウト、背景美術によって検証し、高畑演出の秘密に迫ります。

「火垂るの墓」色指定© 野坂昭如/新潮社 ,1988 / 「火垂るの墓」セル付き背景画© 野坂昭如/新潮社 ,1988

3章・日本文化への眼差し─過去と現在との対話

映画「じゃりン子チエ」(1981)、「セロ弾きのゴーシュ」(1982)以降は日本を舞台にした作品に特化、日本の風土や庶民の生活のリアリティーを活写します。その取り組みは、1985年に設立に参画したスタジオジブリにおいて、「火垂るの墓」(1988)、「おもひでぽろぽろ」(1991)、「平成狸合戦ぽんぽこ」(1994)という日本の現代史に注目した作品群に結実します。

日本人の戦中・戦後の経験を現代と地続きのものとして語り直す話法の創造と、「里山」というモチーフの展開に注目します。

4章・スケッチの躍動─新たなアニメーションへの挑戦

高畑監督はアニメーションの表現形式へのあくなき探求者でもありました。
90年代には絵巻物研究に没頭して日本の視覚文化の伝統を掘り起こし、人物と背景が 一体化したアニメーションの新しい表現スタイルを模索し続けました。その成果は「ホーホケキョ となりの山田くん 」(1999)と「かぐや姫の物語」(2013) に結実します 。デジタル技術を利用して手描きの線を生かした水彩画風の描法に挑み、従来のセル様式とは一線を画した表現を達成しました。美術への深い知識に裏付けられた高畑監督のイメージの錬金術を紐解きます。

いかがでしたか?国内のみならず、海外からも高い評価と関心を向けられる高畑勲監督作品。日本人には馴染み深い、感慨に耽る作品から、子どもの頃の思い出の作品まで、令和最初の夏、高畑勲監督の世界に触れてみませんか?

読者プレゼントのお知らせ

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今回、「高畑勲展─日本のアニメーションに遺したもの」の開催を記念して、招待券を提供いただきました。この記事をご覧いただいた方の中から抽選で5組10名様にプレゼント!この記事を“お気に入り”するか、シェアしてから、以下よりご応募ください。

ご応募・応援はこちらから。
※応募期間:2019年7月12日(金)~2019年8月4日(日)
※ご当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせて頂きます。

筆者

地球の歩き方ウェブ運営チーム

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