情熱の国スペインそのもの! 明るく陽気なセビーリャの春祭り

公開日 : 2018年04月14日
最終更新 :
馬車に乗る女性たち
馬車に乗る女性たち

セビーリャと聞いたとき、あなたは何を思い出しますか? 情熱の代名詞のように語られるカルメンでしょうか? そんな情熱的なアンダルシア美人が、髪に大きな花飾りをつけ、フラメンコ衣装に似たフリルが美しいドレスで町を闊歩し、お祭り会場で踊り明かすセビーリャの春祭り(現地ではフェリア・デ・セビーリャと言います)。その華やかさは、世界中に名を轟かせています。今回は、一度は訪れてみたいセビーリャの春祭りを紹介します。

19世紀半ばから続く伝統あるセビーリャの春祭り

19世紀半ばから続く伝統あるセビーリャの春祭り
カラフルな衣装で着飾った女性たち

19世紀半ばに家畜見本市として始まったセビーリャの春祭りは、時とともに形を変え、今では完全なるお祭り、それも世界中から観光客がやってくるビッグイベントになりました。開催日程は、移動祝日なので毎年変わります。今年は4月15日(日)から4月21日(土)、来年2019年は5月5日(日)から5月11日(土)の予定です。

一昨年までは火曜の深夜0:00にスタートし、翌日曜の24:00に終了でしたが、昨年から週末スタートに変わりました。今後行かれる方は、スペイン政府観光局などで正確な日程を確認してみてください。

セビーリャの春祭りは飲・食・喋・歌・踊の1週間

セビーリャの春祭りは飲・食・喋・歌・踊の1週間
カセタの中でセビジャーナスを踊る

さあ、ではどうやって楽しめばいいのでしょうか? 市内のロス・レメディオス地区に普段は空き地の春祭り専用会場があり、期間中はここに1,000を超えるカセタと呼ばれるお祭り小屋が達ち並びます。

スーツを着てビシッときめた男性たちやカラフルな衣装で着飾った女性たちは、カセタの中で昼夜問わず飲み、食べ、話に花を咲かせ、歌い、そしてフラメンコによく似たセビジャーナスという民族舞踊を踊って過ごします。なかには、バンドを雇い、生演奏が入るカセタや、有名人が集まるカセタもあります。そのほとんどは個人の所有で、招待がなければ入れないのです。

セビーリャの春祭りの飲み物「レブヒート」を飲もう

セビーリャの春祭りの飲み物「レブヒート」を飲もう
カセタの一角はこんな感じ

個人所有のカセタには、招待がなければ入れないのですが、どうぞご安心ください。会場内には誰でも入場できるカセタも数軒ありますので、インフォメーションで地図をもらって場所を教えてもらいましょう。

また、アンダルシアの人たちは陽気でフレンドリーなので、ふとしたきっかけでカセタに入れてくれることもあります。たとえ公営のカセタにしか入れないとしても、会場内にいるだけで心が躍ること間違いありません。

カセタでは、ぜひ「レブヒート」と呼ばれる飲み物をお試しください。シェリー酒のマンサニージャをセブンアップで割ったもので、春祭りの定番です。食べ物に関しては高いうえに種類も少ないので、できれば外で食べてくることをおすすめします。

セビーリャの春祭りでは移動遊園地や闘牛も登場

セビーリャの春祭りでは移動遊園地や闘牛も登場
華やかさと凛々しさと

昼間は、馬車や馬での入場が許可されています。そのため、手入れの行き届いた美しい馬や飾りをつけた馬の往来を間近に見ることができ、家畜見本市の名残を感じます。華やかな衣装に身をまとった女性に目を奪われますが、シックな乗馬服に身を包んだ女性の凛々しさもまた格別です。さすがは美人の宝庫です。

夜になるとポルタダ(正門)のイルミネーションが点灯し、会場内の通路やカセタの灯りがまぶしく輝き、不夜城に変身します。昼とはまた異なる雰囲気なりますので、できれば、春祭りは昼の顔と夜の顔の両方を楽しみたいものです。

会場の一画には大規模な移動遊園地が設置されますので、アトラクション好きの方はこちらにもぜひ足を運んでみてください。また、春祭りにあわせて、格式あるマエストランサ闘牛場では、連続興行が催され、一流の闘牛士たちが集まります。闘牛を見てみたい方はぜひこの機会にどうぞ。

チビッコ達はカセタより移動遊園地が好き
チビッコ達はカセタより移動遊園地が好き
移動遊園地の大きな観覧車
移動遊園地の大きな観覧車
格式高いマエストランサ闘牛場
格式高いマエストランサ闘牛場

セビーリャの春祭りではぜひおめかしを

セビーリャの春祭りではぜひおめかしを
女性は大きな花の髪飾りをつける

旅行中は動きやすいカジュアルな服装+歩きやすい靴がお約束ですが、せっかく着飾った人たちが集う春祭りに行くのですから、少しおしゃれをしてみてはいかかですか? この時期のセビーリャの町のデパートや個人商店では、春祭り用に大きな花の髪飾りやカラフルで大ぶりなピアスやイヤリングが売られていますので、これらを身につけて春祭りに行くのもよいでしょう。セビリャーナスが踊れると最高なのですが、これはちょっとハードルが高いでしょうか。

期間中はセビーリャ市内の宿泊施設の料金は高騰し、すぐに満室になるばかりか、1泊だけでは泊まれない所もあります。市内から少し離れた交通の便のよい町に宿を取るのもひとつの案です。それから、人が集まる所にはスリも集まってきます。スリ、置き引きにはくれぐれもご注意ください。

空路も陸路も使えるセビーリャへのアクセス

空路も陸路も使えるセビーリャへのアクセス
週末は特に混みあうセビーリャの春祭り

最後にセビーリャへのアクセスです。空の玄関サン・パブロ空港は、市内中心部から約12キロメートル離れた所にあり、スペインや欧州の主要都市と結ばれています。セビーリャ市内のプラサ・デ・アルマス・バスターミナルまで空港バスがあり、終点までは約30分、20~30分間隔で運行されています。途中でサンタ・フスタ駅にも停車します。バス停は、到着ロビーを出て左手にあります。

また、マドリードからは、スペイン版新幹線AVEでサンタ・フスタ駅までおよそ2時間30分です。飛行機よりも乗り心地がよく、遅延や欠航のリスクも低いのでおすすめです。駅から市内中心部へは空港バスでも行けるほか、駅正面のホセ・ラギージョ大通りにあるバス停から21番や32番の市バスも利用できます。

アンダルシアの他都市からアクセスするにはバスが便利ですが、バスターミナルは中心部を挟んでプラド・デ・サンセバスティアンとプラサ・デ・アルマスの2か所あるのでくれぐれもご注意ください。

情熱的なアンダルシア美人が髪に大きな花飾りをつけ、酒を飲み、踊り明かすセビーリャの春祭り。世界でもっとも華やかなお祭りをお楽しみあれ!!

筆者

スペイン特派員

田川 敬子

東京生まれの東京育ち。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するほか、複数のウェブサイトにスペイン情報を寄稿。

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