映画『ねことじいちゃん』動物写真家・本作監督初挑戦の岩合光昭さんインタビュー&イベントレポート

公開日 : 2019年02月11日
最終更新 :
動物写真家・岩合光昭さん
動物写真家・岩合光昭さん

動物写真家・岩合光昭さんが映画初監督に挑戦し、岩合監督にしか撮れない猫たちの表情や島の美しい風景とともに、そこに暮らす人々をユーモラスかつ繊細に描き出した、映画『ねことじいちゃん』が、2019年2月22日(金)猫の日に全国ロードショー。本作の公開を記念して、岩合監督へのインタビューを実施!知られざる作品の世界、ご堪能ください。

『ねことじいちゃん』ストーリー

『ねことじいちゃん』ストーリー
主演男猫のベーコンくん

【ストーリー】
2年前に妻に先立たれ、飼い猫のタマと暮らす大吉、70歳。毎朝の日課はタマとの散歩、趣味は亡き妻の残した料理レシピノートを完成させること。島にカフェを開いた若い女性・美智子に料理を教わったり、幼なじみの巌や気心知れた友人たちとのんびり毎日を過ごしている。しかし友人の死や大吉自身もいままでにない体の不調を覚え、穏やかな日々に変化が訪れはじめた矢先、タマが姿を消して――。

一人と一匹、生まれ育ったこの島で、共に豊かに生きるために下した人生の選択とは――?

という、大吉さんとタマさんを中心とした、島に生きる人々と猫を繋ぐ、ハートフルな物語です。

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岩合光昭監督インタビュー

岩合光昭監督インタビュー

■本作の”人間”のキャスティングにおける岩合監督のこだわりは?

岩合監督「ただひとつ、猫好きかどうかです!(笑)」と記者からの質問に対し、即答した岩合監督。「おかげで猫好きが集まりました、どうしてこの映画に出演してくださったのか聴くと、猫が好きだから、とみなさんおっしゃいます。柴咲コウさんは、猫好きとしても有名ですから」とコメントし、「田中裕子さんも猫好きです。小林薫さんは大河ドラマ(直虎:南渓和尚)でずっと膝に猫を乗せてましたよね(笑)、柄本佑さんもカフェで立ち上がるシーンがありますが、猫が驚かないように画面に映らないところからずっとあやしているんですよ(笑)」と各キャストの猫好きエピソードを披露。

主演も初挑戦、立川志の輔さん
主演も初挑戦、立川志の輔さん

■主演も初挑戦、立川志の輔さんを抜擢した理由

岩合監督「大吉さんのイメージに相応しいと思いまして、個人的にオファーしました。過去に、志の輔師匠と食事をしたことがありまして、その時に、学校の先生みたいな人だな、と思ったんです。大吉さんが、学校の元校長先生という設定なので、ぴったりだと」とコメント。「最初は、そんな大役引き受けられない、と見事に断られたのですが、後日、主役という違う世界のことを挑戦してみたい、とOKがでました」と、キャスティングについて話しました。

岩合監督とベーコンくん
岩合監督とベーコンくん
言われてみると、ちょっとおカオが大きいベーコンくん
言われてみると、ちょっとおカオが大きいベーコンくん

■”猫”のキャスティングのこだわりについて教えてください

岩合監督「僕好みの、カオが大きな猫ということもあるんですが(笑)」と、前置きをおき、「人懐っこさがまず第一。そして彼はたくさんの動物たちと空港の近くで暮らしているので、物音に動じませんでした」と大物ぶり(?)がうかがえるベーコンくんのエピソードを披露。決め手については「最終選考で5匹まで絞ったんです。ベーコンは最後だったのですが、まるでアイドルが挨拶するように、壁際に立っていたスタッフ全員の足元を巡ったんです(笑)」と驚愕のエピソードも飛び出しました。100匹以上もの猫オーディションから選抜されたベーコンくんの名演技、映画でぜひご覧ください。

島にカフェを開く美智子役
島にカフェを開く美智子役
柴咲コウさんの猫好きエピソード
柴咲コウさんの猫好きエピソード

■キャストの撮影秘話をこっそり教えてください

岩合監督「キャストが着替えをするための管理棟みたいなものがありまして、その管理棟に、35匹の本作出演猫たちの部屋を作ったんです。ある日、10数匹が出演するシーンの撮影のため、動物プロダクションの方々が全員出払ってしまったことがありました。そのとき、柴咲コウさんがメイクをしていると、猫の鳴き声が聞こえので、部屋をのぞいてみると猫のケージが汚れていたそうで、なんと全部のケージを柴咲さんとスタッフさんたちが掃除してくださっていたんです!」と、柴咲コウさんの猫好きというのがわかる秘話でした。

ベーコンくんと心が通じ合っている岩合監督
ベーコンくんと心が通じ合っている岩合監督

■初監督としてのこだわり

岩合監督「猫の目線を通じて、人々の暮らしや生活が見えてきて、街が見えてきて、国が見えて、そして地球が見えると思っているんです。本作『ねことじいちゃん』でも、島の自然、環境のなかで猫が人を結び付けていく、そんな作品にしています」と、動物写真家ならではの視点を語り、「隠し味としては、食べ物が多く登場しますが、味噌汁の湯気やご飯の蒸気などの描写にこだわっています。なぜなら、味噌汁はもちろん湯気や蒸気なども、島の水なんですね。島で生まれて育って、ずっとその水を飲んで暮らしているわけで、水とともに生きていく様子を描きました」とコメントしました。

『ねことじいちゃん』公開情報

『ねことじいちゃん』公開情報
『ねことじいちゃん』公開情報

岩合監督「肩のちからを抜いて、島で過ごしている気持ちになってリラックスして観てほしい映画です、あと、全シーンに猫が必ずどこかに映っています(笑)」とコメントする本作、映画『ねことじいちゃん』。猫の目線で描かれる島に生きる人々の出会いやロマンスを、劇場でお楽しみください。

■『ねことじいちゃん』
URL:http://nekojii-movie.com/
2019年2月22日(金) ?猫の日?全国ロードショー
配給:クロックワークス
©2018「ねことじいちゃん」製作委員会

ベーコン(猫)による“くす玉開き”に会場中がメロメロ♥

ベーコン(猫)による“くす玉開き”に会場中がメロメロ♥
岩合光昭写真展「ねことじいちゃん」が開催

本作の公開を記念して、映画の撮影中に監督業と並行して岩合監督が撮影した写真約160点で構成した岩合光昭写真展「ねことじいちゃん」が開催。2019年1月5日(土)~富山市民プラザ、1月9日(水)~日本橋三越本店を皮切りに全国各地で開催いたします。この度、日本橋三越本店での開催前日1月8日(火)にレセプションが開催。ヒロインの柴咲コウさん、 “タマ”こと猫のベーコン、そして岩合監督が登壇し、ベーコンによるくす玉開き、そして撮影時の貴重なエピソードが披露されました。

ベーコンによるくす玉開き
ベーコンによるくす玉開き

岩合監督が撮り下ろした写真が飾られた会場に、岩合監督と、黄色いワンピース姿の柴咲コウさんが多くのフラッシュに包まれて登場。岩合監督は「みなさんいい子ですねえ」と猫に呼びかけるように挨拶し笑いを誘い、続いて、本作でも天才的な演技で監督やキャスト陣を驚かせた主演猫・ベーコンも登壇。早速、くす玉開きという大役を任されたベーコンでしたが、予想以上の注目に少々緊張気味の様子。この日のために用意されたくす玉を、柴咲さんと岩合さんが持ち上げるも、興味を持たないハプニングも。ようやくベーコンがくす玉のひもを引いて見事な“くす玉開き”を披露すると、報道陣からも大きな歓声が起き、暖かい拍手が巻き起こった。大役を終えたベーコンはステージから飛び降りると、余裕の貫禄でステージ前を横断し、報道陣からもあまりの可愛さに歓声が上がり、岩合監督も「ベーコンは緊張したんじゃないかですかね?」と微笑んでいました。

岩合監督「柴咲さんは”猫の人”」
岩合監督「柴咲さんは”猫の人”」

「ベーコンは柴咲さんの顔を見た瞬間に、志の輔師匠のひざから飛び降りて柴咲さんの方に寄って行ったんですよね」と語り、会場からは笑いが起き、柴咲さん「ただ新鮮だったから挨拶してくれたんだと思いますよ」と笑顔でフォローするシーンも。柴咲さんについても岩合監督は「普段から猫を飼われていて、愛されているんですよね。”猫の人”だと思いました」というと、柴咲さんは「猫の人」と苦笑しつつ、小さい頃から猫がすきで、「ねこ」という字がタイトルに入っているし、何より岩合さんが初監督という作品は二度とないので、二つ返事で受けさせていただきました」と快諾したことを明かしました。

柴咲さん「監督は猫しか見てなかった(笑)」
柴咲さん「監督は猫しか見てなかった(笑)」

撮影についても「岩合監督は、初めての監督としての経験だったと思うんですけど、いろんなスタッフの意見に耳を傾けておられて、最善の方法で作品が完成したと思います」と監督の撮影時の様子を語るも、岩合監督はここで「最初の撮影の時に、柴咲さんからお叱りを受けまして(笑)」。「僕がOKを出したら、柴咲さんがモニターの方に来られて『監督は猫しか見てなかったですね』とおっしゃったんです。人間のお芝居も見てくださいね、と(笑)。それで、あ、しまった、と思いまして」というと、柴咲さんも「図星だったんですね」と撮影時を思い出しながら笑う、和やかな雰囲気に会場は包まれました。

「猫ももちろん素敵に映っているんですけど、どんなカットにも猫がいる作品って、いままでにないですよね。その猫も伸び伸び過ごしているし、猫の日常が描かれているので、素敵な映画になったんじゃないかと思います。」と作品の見どころを語り、岩合監督も「撮影した佐久島は素晴らしい島なので、映画を見て、皆さんにも実際に訪れていただきたいと思います」と撮影を思い出しながら語りました。

筆者

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