酒田にかつて存在した、映画館にまつわるトリビュート・フィルム映画『世界一と言われた映画館』

公開日 : 2018年11月20日
最終更新 :

今から40 年前、この映画館が酒田(山形県)に存在していたことの奇跡。「世界一」と謳われた映画館にまつわる、証言集(トリビュート・フィルム)、映画『世界一と言われた映画館』が2019年1月5日(土)、有楽町スバル座ほか全国順次公開となります。酒田の一時代を彩った映画館のエピソードとともにご紹介します。

語りは、故・大杉漣さん

語りは、故・大杉漣さん
2018 年2 月に急逝した名優・大杉漣氏

上映ベルの代わりにジャズの名曲「ムーンライト・セレナーデ」が流れると、暗がりの中で大好きな映画が始まる…。「西の堺、東の酒田」と称された商人の町・山形県酒田市に、映画評論家・淀川長治氏が「世界一の映画館」と評した伝説の映画館、グリーン・ハウスがあった。

1976 年に起きた大火災・酒田大火の火元となり、グリーン・ハウスは焼失してしまう。それから40 年余りの時を越えた今、「ムーンライト・セレナーデ」が流れるあの場所へかつて集った人々が、煌めいた思い出をもとに言葉を紡いでいく。

という、2018 年2 月に急逝した名優・大杉漣氏のナレーションにのせて贈る、忘れ難い場所を心に持つ人々のトリビュート・フィルムです。

回転扉から劇場に入ると、コクテール堂のコーヒーが薫り、バーテンダーの居る喫茶スペースが迎える。少人数でのシネサロン、ホテルのような雰囲気のロビー、東京でもまだなかった様々な設備やシステムを取り入れ、多くの観客を魅了した。だが、多くの家屋や人々に被害をもたらした1967年の酒田大火の火元となり、グリーン・ハウスは焼失してしまう。それから40年余りの時を越えた今、「ムーンライト・セレナーデ」が流れるあの場所へかつて集った人々が、煌めいた思い出をもとに言葉を紡いでいく…。

そんな酒田の一角にあった劇場のお話です。

酒田市提供の貴重な当時のフィルムも。
酒田市提供の貴重な当時のフィルムも。
白崎映美さんが語るグリーン・ハウスの思い出
白崎映美さんが語るグリーン・ハウスの思い出

当時のグリーン・ハウスの思い出を証言するのは、酒田に住む地元のさまざまな人々。音楽グループ「上々颱風」のヴォーカルでもある白崎映美さんは、当時のこの夢の劇場を振り返り、「グリーン・ハウスは憧れの場所。いまでもお洒落で高級だったイメージがある」と語ります。

そのほか、日本を代表するカクテル「雪国」を考案した地元の伝説のバーテンダー、グリーン・ハウスで「タワーリング・インフェルノ」を2度観たという元消防士、グリーン・ハウスで実際に映写技師をしていた関係者、もぎりをしていた元従業員など、さまざまなゲストピーカーが、当時の状況を鮮明に語ります。

酒田市出身の佐藤 久一
酒田市出身の佐藤 久一

映画評論家の淀川長治氏が1963年の週刊誌に記した「世界一の映画館」を蘇らせたのは、酒田市出身の佐藤 久一。父親が経営していた映画館「グリーン・ハウス」支配人として就任し、当時業績不振だった「グリーン・ハウス」を上映作品の吟味や、古い建物を大改装する等努力を重ね、洋画専門館として知る人ぞ知る存在となっていくことになりました。

『世界一と言われた映画館』
『世界一と言われた映画館』

2013年の山形放送開局60周年記念ラジオドキュメンタリードラマ「港町の幸福な昭和~日本一と世界一を酒田から発信した男~」への出演がきっかけとなり、本作へのナレーション参加につながった、故・大杉漣さんの柔らかで優しい語りとともに、お楽しみください。

■『世界一と言われた映画館』
2019 年1 月5 日(土)より有楽町スバル座ほか全国順次公開
★山形国際ドキュメンタリー映画祭2017公式上映作品
語り:大杉漣
プロデューサー:髙橋卓也 監督・構成・撮影:佐藤広一
©認定NPO法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭 

筆者

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