【公開記念プレゼント】映画『若おかみは小学生!』ジブリの作画監督でも知られる高坂監督インタビュー

公開日 : 2018年09月16日
最終更新 :
『若おかみは小学生!』
『若おかみは小学生!』

「講談社青い鳥文庫」で累計発行部数300万部を超える人気シリーズ『若おかみは小学生!』。毎週日曜テレビ東京6局ネットにて、本シリーズのテレビアニメが絶賛放送中!さらに、『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』等、数多くのスタジオジブリ映画の作画監督でも知られる高坂希太郎が『茄子 アンダルシアの夏』(2003年)以来15年ぶりとなる劇場公開作の監督を務めた劇場版『若おかみは小学生!』が、2018年9月21日(金)より全国公開いたします。本記事では、8月12日にスペースFS汐留にておこなわれたファミリー試写会イベントの様子と、本作の監督を務めた高坂希太郎監督へのインタビューをレポートします。

『若おかみは小学生!』ストーリー

『若おかみは小学生!』ストーリー

小学6年生のおっこ(関織子)は交通事故で両親を亡くし、おばあちゃんが経営する花の湯温泉の旅館で若おかみ修業をすることに。どじでおっちょこちょいのおっこは、ライバル旅館の跡取りでクラスメイトの“ピンふり”こと真月から「あなた若おかみじゃなくて、バカおかみなの!?」とからかわれながらも、旅館に昔から住み着いているユーレイのウリ坊や、美陽、子鬼の鈴鬼たちに励まされながら、持ち前の明るさと頑張りで、お客様をもてなしていくのだった。いろんなお客様と出会い、触れあっていくにつれ、旅館の仕事の素晴らしさに気づき少しずつ自信をつけていくおっこ。やがて心も元気になっていくが、突然の別れの季節がおとずれて―

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イベントレポート

イベントレポート
鈴木杏樹「頑張って毎日を生きてほしい」

2018年6月にフランスで開催されたアヌシー国際アニメーション映画祭にも出品され、文部科学省推奨作品にも見事選出された話題の新作とともに高坂希太郎監督が登壇されたほか、本作では原作で描かれていない主人公おっこと亡くなった両親とのエピソードを描いているということで、両親役の声を務めた薬丸裕英さん、鈴木杏樹さんがご登壇されました。

トークは小学6年生のおっこちゃんにちなみ、それぞれの“小学6年生”について伺うことに。鈴木杏樹さんはやんちゃな男女7人グループでよく一緒にいたエピソードを披露。「先生の言うことを聞かずに廊下を走ったり、学校にお菓子を持ってきたりと、有名な7人だった。よく遊んでいたから6年生は思い出深いし、一番充実していた」と語った。

薬丸裕英「何か達成しようと目標を持って行動することが大切」
薬丸裕英「何か達成しようと目標を持って行動することが大切」

薬丸裕英さんは「おっこほどスーパー小学生ではないが、そこそこ良い小学生だった」という新聞配達をしていた頃のエピソードを明らかにし、会場は驚きに包まれた。「近所の団地に新聞配りをしていて、暑い日も寒い日も毎朝4時半に起きていた。今の夏休みの時期だったら、その後ラジオ体操にも行っていた。何か達成しようと目標を持って行動することが大切だと思う」と、自ら“自画自賛ですけど”と謙遜しながら話した。

高坂監督「勉強しないで絵ばっか描いていた」
高坂監督「勉強しないで絵ばっか描いていた」

高坂監督はアニメーションの監督らしく、「勉強しないで絵ばっか描いていた」と話す。「緑の多い横浜に住んでいて、よく外でも遊んでいたし、とにかく授業なんかそっちのけだった」と思い出し、天才監督の起源を仄めかした。

会場には夏休み中の子供たちも多く、薬丸は「客観的にみてもおっこちゃんが素晴らしい女の子と思えた。辛いこともあるけど、人のためにどれだけ一生懸命に生きていくか、こうすればおっこみたいに笑顔になれるんだ、というところを学校でも広めてほしい」と熱いメッセージを送った。また鈴木は、「テストの点数が良くなかったり、友達と喧嘩してしまったりして私は孤独で人生のどん底と思うようなこともあったんですが、この映画を見てると、決して一人じゃない、家族みんなが見守ってくれているということを教えてくれるので、おっこちゃんみたいに前向きに頑張って毎日を生きてくれたら良いなと思います。」とこれからを生きる子供たちへ願いを込めて語った。

高坂監督インタビュー

高坂監督インタビュー
高坂希太郎監督

2018年8月某日、本作のアニメーション制作を手掛けた(株)マッドハウスで高坂希太郎監督のインタビューがおこなわれました。本作について「あんまり自分が接してこなかった類の題材なので、小さいお子さん向けということもあり、”どういうものが可愛くて女の子の気持ちに寄れるのか”という部分が難しかった。スタッフからのいろいろな意見を集めて作り上げていきました」と明かし、「劇場版ではテレビシリーズとは違い、自分を前面に出すキャラクターではなく、お客さんのために一生懸命になれる主人公。最後は自分の気持ちを抑えて若おかみになるってことで解決できない問題を解決するんだよっていうおっこ自身の成長を描きました」とコメント。

モデルとなった「有馬温泉」
モデルとなった「有馬温泉」

「花の湯温泉」郷のイメージとなったとされている有馬温泉についてうかがったところ、「地理的には伊豆あたりなので、有馬温泉を東伊豆の方に移植してつくった(架空の)温泉街が”花の湯温泉”ですね、地形などは絵コンテを描く際には有馬温泉をイメージしながら作っていきました」と明かすと「有馬温泉の特色はリニューアルされているところなんです、インターロッキングブロックの石畳にしたら周囲のお店が古風な昔ながらの日本家屋風に建て替えたことで、観光資源にもなっている。実際そういう場所だったので、作中ではそれを強調して、僕自身が行ってみたいと思える理想の温泉街を表現しています」と続けた。

※インターロッキングブロック:舗装に用いるコンクリートブロックの一種。着色された長方形のブロックや、規則正しく並ぶよう大き目のギザギザの波形が入った形のブロックを並べ、ブロック同士の隙間に砂を埋め込む手法。

前回記事で「春の屋旅館は実在する京都の旅館・美山荘」としてご紹介していますが、花の湯温泉郷の全体感は有馬温泉がイメージになっています。

作中の大女将でもあるおっこのお婆さん
作中の大女将でもあるおっこのお婆さん

「御所坊っていう旅館のおかみさんにお世話になって、御所坊さんのバックヤードまで本当は見せたくないだろうところまで色々見せていただいて、旅館業の大変さを垣間見ることができました」と語る自身の理想の温泉郷を有馬温泉に垣間見た高坂監督。

秋野真月(声:水樹奈々)
秋野真月(声:水樹奈々)

作中でおっこの好きライバルでもあり理解者でもある真月が特にお気に入りのキャラクターという高坂監督にその理由を深堀してもらったところ、「今後の花の湯温泉を支えていうのはたぶんおっこではなく真月でしょうね、両者の存在が(何かあった時に)欠かせない、という感じになると思うのですが、旅館も減少したり外国人のお客が増えたりする厳しい状況にあって、温泉街をどう切り盛りするのかなと」と、親のような視点で憂う高坂監督。「花の湯温泉を象徴する存在として、都会からやってきたおっこをそう簡単に受け入れたりはしないけど、自然と距離が近づいて和解して理解し合うという物語を盛り込めたのはよかった」とコメントした。

「花の湯温泉のお湯は、誰も拒まない、すべてを受け入れて、癒してくれる」の格言は随所に生きているようです。作中の真月は、スティーブ・ジョブズやトルストイなど偉人の格言を用いて持論を展開しますが、アヌシー国際アニメーション映画祭ではそのシーンで大歓声が上がったなど、フランスのウケどころについてもエピソードが語られました。

宮崎駿さんをちょっとだけ意識した、ウリ坊
宮崎駿さんをちょっとだけ意識した、ウリ坊

「宮崎さんよく(スタジオジブリの)作業場の椅子の上で、回転するんですよ。椅子の上であぐらかいてグルグル~っと回ってるんですよね。そういうイメージでは被るところあるかもしれないですね。」と、スタジオジブリ話も織り交ぜつつ、「地味なところも手を抜かずに丁寧にやるのが自分のスタイル。そのスタイルは、スタジオジブリの仕事を通じて確立されました。やはり丁寧にやっただけ、観客の方にも届くものが増えるんです。自分のできることはそれがすべてなので、そうして培ってきた部分をおろそかにはしたくありませんでした」と、本作への意気込みを語りました。

2018年9月21日(金)公開
2018年9月21日(金)公開

約5万2000枚に達した作画枚数、古き良き日本の温泉街を舞台に奮闘する前向きな姿と、旅館に住みつくユーレイや魔物たちとのコミカルで不思議な日常は、同世代の少女たち、そして大人たちまでも魅了し続けている。劇場版は原作には深く描かれていなかった、おっこと亡くなった両親との感動のエピソードが描かれていく。2018年9月、第一作発表から15年を経て、この笑いと涙の物語が劇場アニメとしてスクリーンについに登場します。劇場版『若おかみは小学生!』は2018年9月21日(金)TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー。

■『若おかみは小学生!』
公開:2018年9月21日(金) TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー
URL:http://www.waka-okami.jp/
©令丈ヒロ子・亜沙美・講談社/若おかみは小学生!製作委員会

読者プレゼントのお知らせ

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オリジナルノートとスクイーズ
高坂監督のサインはノートの裏に!
高坂監督のサインはノートの裏に!

今回、『若おかみは小学生!』2018年9月21日(金) TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショーを記念して、劇場版に登場する春の屋特製「露天風呂プリン」スクイーズと、高坂希太郎監督のサイン入りオリジナルノート(シール付き)をこの記事をご覧いただいた方の中から抽選で3名様にプレゼント!この記事の「お気に入り」をクリック、タップしてからご応募ください!

ご応募はこちらから。
※応募期間:2018年9月16日(日)~9月30日(日)
※ご当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせて頂きます。

筆者

地球の歩き方ウェブ運営チーム

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