【公開記念プレゼント】映画『ポルトの恋人たち 時の記憶』監督×柄本佑×中野裕太インタビュー

公開日 : 2018年11月09日
最終更新 :
中野裕太さん(左)と、柄本佑さん(右)
中野裕太さん(左)と、柄本佑さん(右)

2018年11月10日(土)、シネマート新宿・心斎橋ほか全国ロードショーとなる、日本、ポルトガル、アメリカの3か国による合作映画『ポルトの恋人たち 時の記憶』。公開に先駆け、都内某所にておこなわれた主演の柄本佑、中野裕太をはじめ、舩橋淳監督への独占インタビューの模様をレポートします。記事の最後には、地球の歩き方ニュース&レポートでしか入手困難な素敵な公開記念プレゼントもありますので、最後までご覧ください。

『ポルトの恋人たち 時の記憶』ストーリーおさらい

『ポルトの恋人たち 時の記憶』ストーリーおさらい
舞台は18世紀ポルトガルと21世紀の日本

【ストーリー】
18世紀リスボン大震災後のポルトガル。復興事業のためにインドからつれてこられた日本人召使の宗次(柄本佑)と四郎(中野裕太)。屋敷で働く雑役女中、マリアナ(アナ・モレイラ)と心を通わす宗次だったが、理不尽な雇い主にたてついたことで銃殺されてしまう。

現代パートのマリナと柊次
現代パートのマリナと柊次

21世紀東京オリンピック後の日本。工場縮小に伴い、リストラされ夢破れた日系ブラジル人の幸四郎(中野裕太)は、ポルトガル人の妻マリナ(アナ・モレイラ)を残し自死を選ぶ。リストラ宣告をくだしたのは加勢柊次(柄本佑)だった。

どちらの時代もあらがえぬ運命よって引き裂かれ、その挙げ句に恋人を殺害された女。その恨みを晴らすために選んだ手段は、思いもよらぬものだった…。3人の立場は微妙に入れ替わりながらも、ほとんど同じプロットが反復され、デジャブのように交差し、愛憎の不条理に引き裂かれた人間の業をあぶり出す。

というストーリーです。より詳細な情報は、関連記事よりご参照ください。

【関連記事】▷18世紀ポルトガル、21世紀日本、時代をこえた愛と復讐の映画『ポルトの恋人たち 時の記憶』

柄本佑さん・中野裕太さんへインタビュー

柄本佑さん・中野裕太さんへインタビュー
■本作の役作りのこだわりは?

■本作の役作りのこだわりは?
柄本さん「僕はしゃべれない役なので、監督からはボディランゲージをなるべく大きくやってほしいといわれました」とコメント。それを受け、中野さんは「逆に僕は宗次の通訳でもあったので、準備段階として語学をしっかり学びました。それ以外にも、向こう(ポルトガル)の時代劇に日本人が混じることって珍しい光景なんですよね、例えば、侍映画に西洋人が出演するような。なのでそれを楽しみました。」と続けました。

南蛮屏風(一部)
南蛮屏風(一部)

Kanō Naizen [Public domain], via Wikimedia Commons

映画の冒頭にも登場する、16世紀桃山時代の屏風絵「南蛮屏風」(狩野内善)を見て、当時の日常などを想像していた、という中野裕太さん。屏風には、南蛮船が長崎に入港した様子や宣教師などが生き生きと描かれており、現在はリスボンにある国立古美術館所蔵となっています。

「映像としてのフッテージが残っているわけではないので、想像でしかないですが、どういう感じだったのかな?と屏風からイメージしたりしていました」と中野裕太さん。映画『ポルトの恋人たち』を観賞後は特に時代背景などが気になりそうです。ご旅行の際にはリスボンの屏風絵もご覧ください。

■国立古美術館
所在地: R. das Janelas Verdes, 1249-017 Lisboa, ポルトガル
休館日:毎週月曜日ほか(1/1、イースター、5/1、12/25)
入場料:有料
大人:6€、 子供:3€、 シニア:2.50€、 毎月第1日曜の14時までは無料 。
URL:http://www.museudearteantiga.pt/

18世紀ポルトガル:宗次とマリアナの禁じられた恋

18世紀ポルトガル:宗次とマリアナの禁じられた恋
”禁じられた恋”を情緒たっぷりに演じる柄本さん

■本作は、召使いとして連れてこられた宗次と、ガスパール(主人)の女中として働くマリアナとの禁じられた恋が全編を通しての壮大な因果の始まりとなります。そんなマリアナとの恋模様についてうかがいました。

「ガスパールの屋敷で働く他の仲間が鞭で打たれてしまい、傷ついたところを介抱しようとする優しいマリアナに、宗次は惹かれ、マリアナもまた宗次から贈りものを受け取りお互いに惹かれ合います。一目惚れ感もありますが、立場的に恋をしてはいけない、”禁じられた恋”を若い二人がどう謳歌するのか、映画を観ながらご堪能ください」と語る柄本佑さん。

マルチリンガルな中野裕太さんのポルトガル語習得について

マルチリンガルな中野裕太さんのポルトガル語習得について
ポルトガル語が自然すぎる中野さん

■18世紀ポルトガルでの作中では、宗次とともに連れてこられた召使の四郎。観賞していて驚くのはその流暢なポルトガル語です。ネイティブのようにスラスラと出てくるポルトガル語、習得方法についてうかがいました。

「勉強法は意外と”体育会系”なんですよ(笑)。文法が網羅されているいわゆる基礎的な本をベースに、CDでポルトガル語を流しつつ、読んで、文字を書いて、同時にしゃべって、とういうふうに、耳、目、手、口をフルに使って習得しました。」

イタリア語をもともと習得している中野裕太さん。似た言語のため、マスターしやすかった、とのことです。これから言語習得をお考えの方、中野さん流の勉強法はいかがでしょうか。

ポルトガルのおすすめスポット

ポルトガルのおすすめスポット
「どこだったかなー」と地球の歩き方を開くお二人
柄本佑さんが行ってみたい「アゾレス諸島」
柄本佑さんが行ってみたい「アゾレス諸島」

■柄本佑さん、中野裕太さんがポルトガル滞在中、特に気になったスポット、行ってみたいスポットについてうかがいました。

安藤サクラさんとの新婚旅行もポルトガルだったという縁が深い柄本佑さんは「アゾレス諸島がとてもいいって聞きますね、ナザレ、リスボンは行ったことがありますが、アゾレスについてはまだなので行ってみたいです」とコメントしました。

■アゾレス諸島
アゾレス諸島は大西洋の中央部に位置する、自治権をもつポルトガル領の島々です。この諸島の特徴は、壮大な景色と漁村、緑の牧草地、そしていたるところに群生する青いアジサイです。

AQUI NASCEU PORTUGALと刻まれた壁
AQUI NASCEU PORTUGALと刻まれた壁

「ポルトガルここに誕生す(AQUI NASCEU PORTUGAL)と、壁に書かれている世界遺産のギマランイスですね」と話すのは中野裕太さん。「今回のポルトガル編制作チームがそこにあったので、よく滞在する機会がありましたが、古都の街並みなどがとてもステキでおすすめです。実はプライベートでも2回訪れています」、柄本佑さんもこの古都ギマランイスに惹かれたようで「撮影前後で(別の)番組でも行ってますし、新婚旅行でもこの地に訪れていますね」と語られました。

■ギマランイス歴史地区
ギマランイスはポルトの北東約60km、「祈りの町」として知られるブラガから南東約16kmに位置します。町の入口の壁には「AQUI NASCEU PORTUGAL(ここにポルトガル誕生す)」と刻まれています。この町が<ポルトガル発祥の地>とされる理由は、初代ポルトガル王アフォンソ・エンリケス(1143~1185年)生誕の地であるからです。

古都ギマランイスのポルトガルグルメ旅

古都ギマランイスのポルトガルグルメ旅
ポルトガル伝統のフランセジーニャ

「店の名前がどうしても思い出せないけど、”あの店の”自家製フランセジーニャはおすすめしたい」という柄本佑さん。「行き方は、ギマランイスの『ポルトガルここに誕生す』の看板を目の前にして坂を少し登って、(自分から見て)右側に小道があるので、そこの入り口付近にあるお店です(笑)」

地元の方が営むレストランで、ビーニョベルデ(微発泡性の白ワイン)も美味とのことです。ヒントは、その小道から3軒目ぐらいのお店で、中でつながっているのが特徴だそうです。


中野裕太さんは「バレたくないお店ならある(笑)なので、きのこクリームソースがかかっているロンビーニョっていうステーキ、というジャンルでおすすめしたい。これがホントに大好きで、いろいろな場所で食べ歩きました、他にもギマランイスで絶対に他では食べられない、”鳥の血”を使ったリゾットを出すお店がありますが、そこもおすすめです」とコメント。

古都ギマランイスのポルトガルグルメ旅、柄本佑さんと中野裕太さん贔屓のお店を見つけながらの散策も楽しいかもしれません。

舩橋淳監督へインタビュー

舩橋淳監督へインタビュー
舩橋淳監督「旅が映画になる」

■ポルトガルと日本合作の映画『ポルトの恋人たち』の制作秘話についてうかがいました。

「柄本佑さんもですが、オリヴェイラ好きということもあり、僕も彼の作品はずっと見続けていたので、彼の作品に感じていたものをポルトガルで再発見するつもりで(本作に)繋がっているものはあります。映画を通じて世界を知った、ということが人生で多くあり、『ポルトの恋人たち』も他の作品で映画祭に訪れた際にポルトガル人から声をかけられて、という経緯があり、”旅が映画になる”、というところがあります」

※マノエル・ド・オリヴェイラ:ポルト出身の映画監督。『メフィストの誘い』(1995年)、『アブラハム渓谷』(1993年)など。

ポルトガルのおすすめスポット(監督編)

ポルトガルのおすすめスポット(監督編)
ドン・ルイス1世橋

■船橋監督のポルトガル経験から、おすすめしたいスポットについてうかがいました。

「僕はポルトのガイアです。ポルトの対面のドン・ルイス1世橋を越えた向こう側です。作中でもアナ・モレイラと柄本佑が肩を並べて歩くシーンがありますが、美しい場所なのでおすすめです」

夜の20時頃、ポルトの夜景をガイア側から眺めるのが特におすすめとのことで、夫婦や恋人同士で訪れたいスポットです。ドウロ川に架かるこの橋は、道路・鉄道併用橋として今でもポルトの象徴として、世界遺産「ポルト歴史地区」に含まれます。

豚(トン)でも撮影秘話を公開!

豚(トン)でも撮影秘話を公開!
豚(トン)でも撮影秘話

■柄本佑さん、中野裕太さん、船橋監督それぞれに「撮影中のとんでもエピソード」をうかがったところ、”豚”(トン)でもないエピソードが!?

「作中で、マルシェ(市場)のシーンを撮るため、家畜を売っているという話を聞き、借りるぐらいなら買って食べよう、ということで大小2匹の豚を買いました」という船橋監督。この時、小さい豚が先に”焼き豚”にされているのを大きい豚が目撃している、とのことで、撮影にあたっていた柄本佑さんは、「撮影中に突如豚が暴走したんです、『ブヒャァァ!』ってすごい鳴き声で(笑)、入れておいた檻が壊れて走り回っているのを、スタッフ総出でおいかけまわしました」と、この遁走ならぬ”豚”走事件について後に語っています。

「小さいのが丸焼きにされているので、こりゃあ”豚”(トン)でもない!と大きいほうが”豚”走した、というのが実情ですね(笑)撮影は完全にストップしました」と、暴走の裏事情を監督が明かしました。気になる豚の運命はというと…。

「結局、おいしく食べました、豚サンドとして(笑)」と、中野裕太さん。

『ポルトの恋人たち 時の記憶』公開情報

『ポルトの恋人たち 時の記憶』公開情報
11月10日(土) シネマート新宿ほか全国ロードショー

ポルトガルと日本の合作映画として、日本人初の監督作品にオリヴェイラ作品のスタッフが集結!時を越えた復讐や愛の連鎖、逃れられない因果の果ての結末は?18世紀ポルトガルと現代日本でそれぞれが織りなす、見ごたえ抜群の愛と復讐の物語、劇場でぜひご覧ください。

日本とポルトガルの合作映画は、パウロ・ローシャ監督の『恋の浮島』(83)、ジョアン・マリオ・グリーリョ監督の『アジアの瞳』(97)に続き3作目で、本作は初の日本人(舩橋淳)督作品となる本作『ポルトの恋人たち 時の記憶』は、11月10日(土) シネマート新宿・心斎橋ほか全国ロードショー!

【続報】初日舞台挨拶レポート

【続報】初日舞台挨拶レポート
『ポルトの恋人たち ~時の記憶~』の初日舞台挨拶

11月10日(土)、『ポルトの恋人たち ~時の記憶~』の初日舞台挨拶が都内某所にておこなわれました。スクリーンの中でも舞台上でも見事なコンビネーションを見せていた柄本佑さんと中野裕太さんは、「初めて会ったときからチューニ ングが合うというか息が合った」と互いに語り、初対面は「(柄本さんが)下駄をはいて現れましたね(笑)ポルトガル 人かも?とか言いながら、大和スピリッツの男なんです(笑)」と明かす中野さんに対し、「ポルトガルへのトランジットでフランクフル トで金属探知機のゲートをくぐるときに、“ピンポーン”って鳴ってないのに検査の人に止められて。下駄を指さして “それはなんだ!”と問われて“大和スピリッツだ!”と答えたら“変な奴がいるぞ!”とスタッフがぞろぞろやってきた (笑)」とエピソードを語る柄本さん。

本作について、「日本とポルトガルの合作ということで、こんなにポルトガルの風景を見られる映画もないと思 います。きっと新鮮で楽しんでいただけたんじゃないかなと思います。ぜひ楽しいと思われた方は家族とか、親友とかそんなに親しくない友達とか…あるいは歩きながら「ポルトの恋人たち…」って言ってみるのもありかな(笑)すれちがった人がgoogle検索してくれるかもしれませんから(笑)」とSNS時代の画期的な口コミをお願いして締めくくりました。

読者プレゼントのお知らせ

読者プレゼントのお知らせ
柄本佑さん、中野裕太さん、船橋監督のサイン入りプレス

今回、『ポルトの恋人たち 時の記憶』2018年11月10日(土) シネマート新宿・心斎橋ほか全国ロードショーを記念して、主演の柄本佑さん、中野裕太さん、船橋敦監督の直筆サイン入り非売品のマスコミ用プレスを、この記事をご覧いただいた方の中から抽選で3名様にプレゼント!この記事の「お気に入り」をクリック、タップしてからご応募ください!

ご応募はこちらから。
※応募期間:2018年11月9日(金)~11月25日(日)
※ご当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせて頂きます。

■『ポルトの恋人たち』
柄本佑、アナ・モレイラ、アントニオ・ドゥランエス、中野裕太
製作:Bando á Parte, Cineric, Inc., Office Kitano
プロデューサー:ロドリゴ・アレイアス、エリック・ニヤリ、市山尚三
脚本:舩橋淳、村越繁
撮影:古屋幸一
編集:大重裕二、舩橋淳
音楽:ヤニック・ドゥズィンスキ
監督:舩橋淳
配給:パラダイス・カフェ フィルムズ
配給協力:朝日新聞社
協力:ポルトガル大使館
助成: 文化庁文化芸術振興費助成金
2018/日本=ポルトガル=アメリカ/139分/シネスコ/5.1
©2017 『ポルトの恋人たち』製作委員会
porto-koibitotachi.com>
PG-12
11月10日(土) シネマート新宿・心斎橋ほか全国ロードショー!

筆者

地球の歩き方ウェブ運営チーム

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』のメディアサイト『地球の歩き方web』を運営しているチームです。世界約50の国と地域、160人以上の国内外の都市のスペシャリスト・特派員が発信する旅の最新情報をお届けします。

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