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日台合作の台湾オペラ「アフロディーテ 〜阿婆蘭(アポーラン)〜」期間限定でYouTube配信中!

2021年12月27日

現代美術作家やなぎみわさんと、台湾の伝統芸能(歌仔戯)がコラボした演劇が、12月25日に台湾にて公演されました。チケットは発売から数分で完売するほどの人気ぶり。当日はYouTubeにて生配信され、2日間で2万回以上も再生されています。アーカイブは2022年1月8日まで配信されますので、お正月休みにぜひ!

台湾で親しまれてきた民俗芸能・歌仔戲とは?

台湾南部の高雄市にある寺廟の前にて。筆者撮影

歌仔戲(台湾語でゴアァヒ)は台湾オペラとも呼ばれ、歌と台詞を交えながらストーリーが展開していく民俗芸能です。筆者が暮らす台湾南部の高雄や台南では、廟や祭日などに時々見掛けたことがあります。劇は無料で鑑賞できるため、地元の子供から大人までが集まり、気軽に楽しめる憩いの場となっています。近年では台湾のエンターテイメントとして再注目され、劇場などで華やかに開催されることも。演目は、親孝行や忠誠心、ラブストーリーなどをテーマにした歴史人物の伝記が多く、劇中の言語は台湾の公用語である台湾國語(北京語)ではなく、すべて台湾語(閩南語)で行われます。また、女性が中心となって舞台を盛り上げるところも特徴的です。

歌仔戲の始まりは、日本統治時代である1900年前後と言われ、台湾東部の宜蘭で誕生しました。台湾に残る演劇の多くは国外からやってきたものですが、歌仔戲は台湾で生まれて発展した特別な演劇です。もとは民間歌謡から始まりましたが、後に台詞や動作が入って演劇化していき、台湾全土に広がっていきました。日本統治時代の皇民化運動や、国民党政府による政策で台湾語を制限されていた時代もありましたが、途絶えることなく継承されたたいへん貴重な民俗文化のひとつです。

コロナ禍に誕生した「アフロディーテ 〜阿婆蘭(アポーラン)〜」とは

やなぎみわさん。台湾の廟にて ©沈昭良
やなぎみわさんによる作画 ©Miwa Yanagi
野生蘭の衣装デザイン ©Miwa Yanagi
写真左から明華園天字戲劇團・陳昭香さん、春美歌劇團・郭春美さん、秀琴歌劇團・張秀琴さん ©財團法人文化臺灣基金會提供/撮影:林政億

「アフロディーテ 〜阿婆蘭(アポーラン)〜」は、3年をかけて計画された日台の文化交流イベント「Taiwan NOW」(台湾ナウ)を締め括る、大トリのイベントです。

当初の予定では、東京オリンピックの開催に合わせて東京での公演を計画していましたが、新型コロナウイルスの影響により日本での公演を断念、日程を延期し、ようやく12月25日に台湾高雄にある衛武営国家芸術文化センターの野外劇場にて行われました。コロナ禍での準備期間中、日本と台湾の制作チームはオンラインで入念な打ち合わせを重ね、脚本・演出・舞台美術を担当したやなぎさんは、2週間の隔離を経て現地入りし、公演に向けた準備を進められたそうです。

タイトルにあるアフロディーテとは、台湾原産種の白い胡蝶蘭のこと。台湾語で阿婆蘭(アポーラン)と呼ばれています。台湾全土に分布する多種多様の野生蘭に興味を持ったやなぎさんは、アフロディーテが生息する台湾の離島・蘭嶼へ足を運び、そこから蘭調査をスタートさせました。台湾の胡蝶蘭が世界的に有名になってから野生蘭は減少傾向にあり、アフロディーテは今や幻の蘭になりました。今回の演劇では、人間と自然界の関係を再認識して欲しいという願いも込められています。

今回、歌仔戯を演じたのは、南台湾を代表する3大劇団(明華園天字戲劇團、春美歌劇團、秀琴歌劇團)。記者会見で劇団の代表者が登壇しましたが、みなさんとてもエネルギッシュ!台湾語でいきいきと挨拶されました。

鑑賞を終えて

照明や華やかな衣装にも注目! ©財團法人文化臺灣基金會提供/撮影:黃宏錡、林政億、尹雯慧
YouTube配信には日本語字幕があるので安心!
アップテンポのカーテンコール ©財團法人文化臺灣基金會提供/撮影:黃宏錡、林政億

筆者は、現地で行われたプレス発表会と、YouTube配信にて観劇しました。キャストやあらすじは、公式サイトの「プログラムブック」から日本語で閲覧可能です。

ストーリーの舞台は、白い蘭が咲く幽境。人間と野生蘭が共存している和やかなシーンからスタートします。その後、幽境の外から訪れる人間によって、蘭の生態系が徐々に壊されていく様子が描かれています。日本人の人類学者(森さん)、アフロディーテに魅了され人工交配を始める植物学者(林さん)、お金に目が眩み蘭の大量生産を目論む商人などが登場し、人間の欲に翻弄され衰弱していく蘭たち。アフロディーテのクローンは増殖し、ついに人々は後悔し始めるが……。

個人的な見どころとしては、蘭の特徴を捉えた衣装やメイクの美しさはもちろん、さまざまな民族が登場する時代背景や、伝統的な歌仔戯同様に野外へのこだわりを感じました。そして、特徴的な舞台構造による奥行きのある演出、映像は360度+ドローンで上空から撮影されています。そしてなんといっても圧倒的な歌唱力と台湾語の美しさに目頭が熱くなります。日本と台湾を自由に行き来できるようになった頃、ぜひ日本での再演を願っています!

■アフロディーテ 〜阿婆蘭(アポーラン)〜
・Taiwan NOW特別サイトURL:  https://www.taiwannow.org/jp/program?id=10
・YouTubeアーカイブURL: https://www.youtube.com/watch?v=XqvmJJuB4M8
※YouTubeのアーカイブは、2022年1月8 日23時59分までです。

旅のバイブル「地球の歩き方」ガイドブック

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■地球の歩き方 ガイドブック D10 台湾 2020年~2021年版
URL: https://hon.gakken.jp/book/2080134500

※当記事は、2021年12月27日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2021年12月27日現在、国によってはいまだ観光目的の渡航が難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。

◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html

◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。

TEXT:トラベル・キッチン 大西稚恵

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地球の歩き方編集室
定価:1,870円(税込)
発行年月: 2020年03月
判型/造本:A5変並製
頁数:416
ISBN:978-4-05-801345-8

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