滋賀県発祥!日本最古の鮨「鮒ずし」の漬け込みシーズンが到来
滋賀県の伝統発酵食品、日本最古の鮨とも称される「鮒ずし」を紹介します。毎年7月を迎えると、滋賀県では、「鮒ずし」の漬け込みが始まります。この「鮒ずし」の漬け込みに合わせて、誰でも参加できる「鮒ずし」の漬け込み講習会が滋賀県各地で開催されます。奈良時代から続くという、琵琶湖が生んだ郷土料理を食べに、滋賀県へ出かけてみてはいかがでしょうか。
日本最古の鮨「鮒ずし」とは!?
日本最古の鮨といわれる滋賀県の郷土料理「鮒ずし」の漬け込みが、滋賀県各地で始まります。近年、琵琶湖で捕れるニゴロブナの漁獲量の減少により価格が高騰し、「鮒ずし」は高級品としてのイメージが定着しつつありますが、今でも滋賀県内の家庭では毎年漬けられています。
また、滋賀県は、鮒以外にも、琵琶湖で捕れるアユやハスなど、さまざまな魚を熟れずし(なれずし)にして食べる文化が受け継がれています。熟れずしとは、おもに魚を塩と米飯で乳酸発酵させた食品です。
滋賀県では、「鮒ずし」をはじめとする熟れずしを、保存食としてだけでなく、神事や祭の際に神饌や直会として用いてきました。古来より、「鮒ずし」などの熟れずしは、滋賀県の人々の暮らしに密接に関わっているのです。
本場で学ぶ「鮒ずし」の講習会
滋賀県にある漁業組合や公共施設では、一般の方でも参加できる「鮒ずし」の漬け込み講習会を、2018年7月から開催します。
<滋賀県内で開催される「鮒ずし」の漬け込み講習会>
日本最古の鮨「鮒ずし」とは!?
「鮒ずし」は、熟れずしの一種で、おもに琵琶湖で捕れるニゴロブナを米飯に漬け込んで乳酸発酵させる伝統食品です。昔から、滋賀県内の家庭では、春の産卵期の鮒を塩漬けにしていたものを、土用の日に米飯に漬け込み始めます。乳酸発酵の進んだ12月末頃から桶を開け始め、正月の食卓を豪華に彩るなど、「鮒ずし」はハレの日の御馳走として親しまれてきました。
「鮒ずし」をはじめとする熟れずしは、良質のタンパク質源、脂質源になります。また、発酵させることで魚を頭から尾まで丸ごと食べられるようになり、カルシウムを豊富に摂取できる食品でもあるのです。
さらに、「鮒ずし」は、お腹の悪い時に薬代わりに食べるといった昔からの風習があります。「鮒ずし」は、良質の乳酸菌を豊富に含んだ発酵食品であるため、腸内環境をよくするはたらきがあります。
古来より伝わる「鮒ずし」の作り方
「鮒ずし」の作り方は、地域や各家庭で方法が異なります。これから紹介する「鮒ずし」の作り方は、あくまでも一例です。
●4~5月頃:塩漬け
(1)鮒のウロコや内臓を除去後、全体に塩をまぶします。腹とエラぶたにも塩を詰めます
(2)桶に鮒をきっちり並べ、塩と鮒を交互に何層にも漬け込み、重石を乗せます
●7~8月頃:塩切り・漬け込み
(3)塩漬けした鮒の塩や汚れを水で洗い、干します
(4)腹とエラぶたに米飯を詰め、桶に鮒をきっちりと並べて、米飯と鮒を交互に漬けます
(5)落としぶたをして重石を乗せ、桶に水を張り、空気に触れないように発酵させます
いかがでしたか。滋賀県の伝統発酵食品、日本最古の鮨とも称される「鮒ずし」を紹介しました。琵琶湖が育んだ食文化を体験しに、滋賀県へ出かけてみてはいかがでしょうか。
筆者
地球の歩き方ウェブ運営チーム
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